尹大統領はこの日、育児負担を緩和するために提案した外国人留学生を活用する方案は、各家庭が留学生を私的に「直接雇用」し、最低賃金より安い賃金で子供の世話をさせるというものだ。「家事使用人」は勤労基準法と最低賃金法の適用を受けない。韓国語を駆使でき、韓国文化に慣れている16万3000人の外国人留学生を家事労働市場に投入し、安い賃金で活用しようとするのが狙いだ。現在、外国人留学生は家事労働に従事することができないため、これを制度的に許容する方案を探っているものとみられる。
しかし、留学生の多数を占める若い学生たちが育児をどれだけできるのかは未知数だ。公共連帯労働組合のイ・ジュナム副委員長は「子供の保育は育児経験が豊富な人材がこれに当たることが重要だ」と述べ、「外国人留学生には保育以外の家事労働はできるだろうが、子供を世話することは容易ではない」と述べた。キョンギド(京畿道)ソンナム(城南)市に在住している会社員のAさんも「外国人ではなく韓国人でさえ大学生に子供を任せることは難しいと思う」と話している。
新興国の外国人を低賃金で活用しようというメッセージを大統領が出したことに対しても批判が出ている。テグ(大邱)大学社会福祉学部のヤン・ナンジュ教授は「最低賃金法が韓国人と外国人を区分しないのは、我が国で労働力を提供して生計を維持するためにはこれだけのお金が必要だという意味」と述べ、「いくら最低賃金法が適用されない私的雇用だとしても、新興国出身の外国人に対しては低賃金で働かせても大丈夫だとのメッセージを大統領が出したことは不適切だ」と指摘した。またヤン教授は、大統領の発言により世話労働の価値が下がる恐れがあるとも述べた。
留学生を活用する案が育児負担を緩和するための本質的解決法ではないとの声も出ている。ソウル市ソンパ(松坡)区で働くBさんは「乳児の時は育児休職などを取って世話できるが、幼児期が問題」と語り、「午前8時から10時、午後4時から6時に保育園や幼稚園に送り迎えできるよう柔軟な勤務時間を取り入れ、親が育児に専念できるようにすることが優先」と話した。
まず制度的に用意された公共サービスから活用すべきとの指摘も少なくない。女性家族部は今年の保育事業予算を昨年より32%増やした4697億ウォン(約526億円)に確定し、事業利用世帯を昨年の7万8000世帯から今年は11万世帯に増やす計画だ。公共連帯労組は先月27日の記者会見で「全国の自治体と面談を行った結果、予算を拡大する事実を知らずにいた担当係員もおり、ソウル市などは利用世帯拡大計画を立てていなかった」と明らかにした。
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