聯合ニュースの取材によると、先月31日午後4時ごろ、南部の慶尚南道金海市内で畑仕事をしていた60代の女性が胸の痛みを訴えて119番通報した。消防当局は慶尚南道地域の六つの病院に計約10回連絡したが、医師不足などを理由に全て断られた。その後、20キロほど離れた釜山の病院から診療可能との連絡を受けて女性は搬送され、検査の結果、大動脈解離と診断された。緊急手術が可能な病院を探し、釜山の大学病院に運ばれたが、同日午後10時、手術の準備中に亡くなった。
また、今月11日には釜山で急性心疾患を発症した50代の患者が10カ所以上の病院から受け入れを断られ、死亡した。
大韓応急(救急)医学会は「胸部外科は20年も前から研修医の志願が少なく、研修医に依存しなくなって久しい。研修医の辞職事態と何ら関係がない」として、病院のたらい回しが原因ではないと主張した。
先月、中部・忠清北道報恩郡では生後33カ月の幼児が、同道の忠州市では70代女性が搬送先が見つからず亡くなった。今回の事態が死亡の直接的な原因かは分析が必要だが、対立を続ける政府と医師への批判の声が高まっている。
事態の長期化を受け、政府は医師の一部の診療業務を行えるようにした診療補助(PA)看護師の能力を高めるため、この日からPA看護師を対象にした教育を実施する。
看護師の業務制限を一部緩和したのに続き、PA看護師の数も増やす方針だ。保健福祉部によると、総合病院など375病院を調べた結果、PA看護師数は3月末時点で8982人となっている。今後、2715人を増員し、計約1万1000人に増やすという。
医師団体は医学部の入学定員を2000人増やす政策を根本的に見直すよう政府に求めている。大韓医師協会は「現在の問題を解決できるのは大統領で、医学部定員増員をやめ、合理的かつ客観的な組織で新たに議論できるよう方針を転換すべきだ」と訴えた。
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