韓国選挙管理委員会の不正採用疑惑、監査院が追加の調査結果を発表…「世子」と呼ばれていた事務総長の息子
韓国選挙管理委員会の不正採用疑惑、監査院が追加の調査結果を発表…「世子」と呼ばれていた事務総長の息子
韓国の選挙管理委員会が組織的に職員の子女を不正採用し、放漫に組織や人員を運営してきた事実が1日、監査院の発表でさらに明らかにされた。

 職員の子女を非公開で採用し、親交のある内部の委員だけに試験委員を務めさせるなどの方法が取られた。また、面接点数の操作や改ざん、地方自治体長の転出同意要件を故意に無視、あるいは差別的に適用するなどの不正行為が行われた。

 高位職から中間幹部に至るまで、子女の優遇採用は広範囲に及び、多くの問題が発生した。中央・仁川選挙管理委員会では、経歴競争採用を行い、事務総長を務めたA氏の子女が採用過程で有利な扱いを受けた。職員は内部メッセンジャーでA氏の息子を「世子(世継ぎ)」と呼んでいたという。

 市選挙管理委員会の事務局長では、同じ診断書を繰り返し使用したり、虚偽の病欠を自ら承認するなど、8年間で約100日間の無断欠勤と虚偽の病欠を80日間使用した。自己承認で合計70回、約170日以上、無断で海外旅行を繰り返した。

 全羅南道選挙管理委員会では、事務局長を務めたB氏の子女を採用する過程で、面接委員に評定表の作成をさせず、特定の人物のみを不合格にし、捜査に備えて証拠隠滅を行った。

 忠北選挙管理委員会では、事務次長を務めたC氏の子女を優遇採用するために採用公告を行わず、C氏の子女だけを対象に、面接試験などに内部委員だけを参加させた「非多数人競争採用」を実施した。この一連の行為は、C氏の子女が忠北選挙管理委員会を希望したことから始まった。C氏は忠北選挙管理委員会の人事担当者と丹陽郡選挙管理委員会の課長に影響力を行使し、国会には虚偽の答弁書を提出した。

 その他にも、京畿道選挙管理委員会では、近々、5級職員F氏の婿となる男性の採用に介入した。人事課長は願書受付期間中に、安城市選挙管理委員会の選挙担当者などに対して、その男性の特定市への転出同意がとれるか確認するよう指示した。

 しかし、転出の同意がとれないことが分かると、人事担当者はこの男性に対してのみ、転出の同意がなくても採用可能な方法を案内した。一方で、他の面接試験合格者の2人には、同じような案内もせずに、転出不同意を理由に落選処理した。

 これに先立ち、監査院は昨年5月、選挙管理委員会の高位職の子女に対する特恵採用疑惑が提起された後で、選挙管理委員会の親族採用を含め、組織や人事運営全般を点検した。特に、2013年以降に実施された経歴競争採用167回の過程を調査した結果、すべての回で規定違反があったことが分かった。違反件数は800件以上に達した。

 監査院はこのような事実を確認し、不正に積極的に関与した選挙管理委員会の前・現職職員27人を大検察庁に捜査要請したと明らかにした。
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