韓国大統領室、チェ上等兵特検法の強行を批判「死を政治に利用する悪政」…拒否権の可能性を示唆
韓国大統領室、チェ上等兵特検法の強行を批判「死を政治に利用する悪政」…拒否権の可能性を示唆
韓国大統領室は2日、野党が主導する国会で可決された「チェ・スグン上等兵特別検察官法(特検法)」について、「非常に残念だ」と表明。「チェ上等兵の不幸な死を政治目的に利用する悪政」と強く批判した。この日、大統領室は「拒否権」という言葉を直接用いなかった。しかし、「厳重対応」や「立法の暴走」といった表現を持ち出したことから、事実上の拒否権行使を示唆したと見られる。

 チョン・ジンソク(鄭鎮碩)大統領秘書室長は同日午後、大統領室で懸案関連の記者会見を開き、「高位公職者犯罪捜査処(公捜処)と警察がすでに捜査を進めているにもかかわらず、野党側が一方的に主導する特別検察官の任命を強行しようとするのは、真相究明よりも他の政治的な意図があると考えざるを得ない」と述べた。

 さらに、「領袖会談に続き、梨泰院特別法を与野党の合意で可決したことで、協治に対する国民の期待が高まっている時期」とし、「大統領室は、共に民主党の一方的な立法の暴走を深刻に見ている」と強調した。

 そのうえで、「協治のための最初のページのインクが乾く前に、共に民主党が立法の暴走を強行したのは、与野党が力を合わせて民生を守るという総選挙の民意と国民の厳粛な命令に真っ向から逆らうものだ」とも述べた。

 この日、与党「国民の力」は野党の議事日程の変更と強行処理に反発して採決をボイコットする一方で、「今後、第21代国会の残りの議事日程に協力できない」と表明した。野党の主導によるチェ上等兵特検法の強行により、今後も与野党間の激しい対立が続くと予想される。

 鄭室長も、「公捜処と警察による徹底的な捜査が進行中であるため、捜査結果を待って特検を導入するのが妥当」とし、「これがこの法律で定めた特検法の導入目的だ」と述べた。

 大統領室は、公捜処や警察の捜査後に、それに応じて特別検察を導入すべきだと考えている。鄭室長は、「これまで13回の特検が導入されたが、与野党の合意なしに行われたことは一度もなかった」と説明した。

 尹大統領がこれまで与野党対立の局面で拒否権を行使してきたため、総選挙敗北後の追加的な拒否権行使は負担となる可能性がある。

 しかし、「厳重対応」の姿勢を明らかにしたことで、拒否権行使の可能性が議論されている。国民の力のユン・ジェオク(尹在玉)院内代表兼党代表権限代行も、「チェ上等兵特検法」の強行処理について、「大統領の拒否権行使を建議するしかない」との見解を示した。

 鄭室長は、「一方的に処理された特検法が大韓民国を混乱に陥れる事例として残るという懸念が大きい」とし、「大統領室は今後厳重に対応する」と付け加えた。
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