◇財団の残金 約56億ウォンから59億ウォンに
最大野党「共に民主党」の金翰奎(キム・ハンギュ)国会議員が女性家族部から提出を受けた資料によると、財団の残金は59億4000万ウォン(約6億7000万円)で、解散が決まった2018年11月の約56億ウォンより約3億4000万ウォン増えた。当時、女性家族部は残金の処理まで1年かからないと表明したが、今まで清算手続きが完了せず、預金利息がついた残金は膨らんだ。
財団は2015年12月の日本との合意に基づいて日本側が10億円を拠出し、両国が慰安婦被害者と遺族を支援する事業を行う目的で16年7月に発足した。だが、17年に発足した文在寅(ムン・ジェイン)政権が合意を再検討し、日本側の拠出金を政府の予算に置き換えることを決定。18年11月に女性家族部が財団の解散を発表し、発足から2年4カ月で解散手続きに入った。
財団は慰安婦被害者側に46億ウォンを支払い、運営費で9億6000万ウォンを使用した。財団の事務は22年10月に終了したが、残金は今も処理できず清算人が管理している。
◇残金の処理方法 まだ「協議中」
残金の処理が完了していないことについて、女性家族部は「具体的な処理方法については韓日の協議が必要」として、「外交部と協議を続けている」と明らかにした。ただ、昨年と状況はほとんど変わっていないという。
清算人として残金を管理している金栄鎮(キム・ヨンジン)弁護士は「状況はそのまま」とし、「具体的な議論が行われたという話も聞いていない」と伝えた。
金議員は「女性家族部がこの問題について5年以上、手をこまねいていることは職務放棄といえる」として、「慰安婦被害者の意見が最優先に反映された清算手続きをまとめることに積極的な姿勢を見せなければならない」と指摘した。
◇解散でも維持でもない矛盾
民法によると、解散した法人の残金は担当官庁の許可を得て本来の目的に沿った方向で処分されるか国庫帰属となる。市民団体や学界は残金を日本に返還するか本来の目的通り慰安婦被害者の支援事業に投入するか早期に方向を決めるよう求めている。国際通商が専門の宋基昊(ソン・ギホ)弁護士は「解散でも、維持でもない矛盾した状況から抜け出そうとする意志を示さなければならない」と促した。そのうえで、「日本が拠出した資金のため、日本に返すべきだ」として、「日本が受け取らなくても、せめて返すという意志表示は必要だ」と主張した。
一方、仁荷大の洪承祺(ホン・スンギ)教授(法学)は「財団を元に戻し、本来の目的通り事業を継続することが日本に対する礼儀であり、国際社会での韓国の地位にふさわしい」とし、「女性家族部が今からでも積極的に動いて、中途半端な状況を変えるべきだ」と強調した。
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