16年間未解決だったタクシー強盗殺人事件、無期懲役確定＝韓国

インチョン（仁川）の高架下道路でタクシー運転手を凶器で殺害して逃走し、16年後に検挙され裁判にかけられた2人組のタクシー強盗に対し裁判所が無期懲役の刑を確定した。

韓国最高裁判所は強盗殺人の容疑で起訴されたA被告（48）と共犯のB被告（49）の上告審で、無期懲役を宣告し5年間の保護観察を命令した原審を確定したと6日明らかにした。

最高裁は、「原審の判断に論理と経験の法則に違反し自由心証主義の限界を外れたり法理などを誤解した過ちはない」とし、「上告理由として主張する情状を酌量したとしても原審が無期懲役を宣告したことがひどく不当だとは考えられない」と判示した。

2人は2007年7月1日午前3時ごろ、仁川市ナムドン（南洞）区ナムチョン（南村）洞の道路付近でタクシー運転手Cさん（死亡当時43歳）を凶器で17回刺し殺害した後、現金6万ウォン（約6700円）と1千万ウォン（約113万円）相当のタクシーを盗んだ容疑で裁判にかけられた。

遺体を犯行現場に放置し逃走した2人は2.8キロメートル離れた住宅街にタクシーを捨てた後、後部座席に火を付けて逃走したと調査された。

長期間、容疑者らを特定する手がかりが見つからず迷宮入りするかと思われた事件は、たきつけとして使用された車の説明書から確保した小さな指紋をもとに昨年、警察が2人を相次いで検挙し急展開を迎えた。

法定でA被告は指紋鑑定結果が信じられないとして犯行を全面否認した。B被告は強盗の犯行は認めたものの殺人はしていないと否認した。

1審は2人にそれぞれ懲役30年の重刑を宣告し5年間の保護観察を命令した。

1審は、「DNA鑑定結果に照らし合わせるとA被告が事件当日に現場にいたという事実は合理的に疑いの余地がなく認められる」とし、「共同被告人のB被告も強盗の犯行を計画した後、犯行当日タクシーに乗車し強盗の犯行を行ったと一貫して陳述している」と述べた。

また、「被害者の解剖鑑定書を分析した鑑定医は（被害者の）体を制圧する役割、ひもで首を絞めたり凶器で刺す役割の分担が必要だったと判断した」とし、「結果的にA被告が被害者に凶器を振り回す間、B被告は被害者を抑圧し首を絞めて殺害したと考えるのが妥当」と説明した。

2審は量刑があまりにも軽く不当だとする検事の控訴を受け入れ、1審の懲役30年より重い無期懲役を宣告した。

2審は、「遺族はこれまで言葉では言い表せないほどの精神的苦痛と悲しみの中で生きてきたと思われる」とし、「現在まで被害は全く回復されておらず、むしろ明白な科学的証拠があるにもかかわらず（被告人らが）犯行を否認する姿を見ながら再びショックと悲しみを思い出す苦痛を感じたと思われる」と述べた。