会社が付与したストックオプションを売ったら健康保険料が大幅に増加…裁判所「5000万ウォン以下は取り消し」=韓国
会社が付与したストックオプションを売ったら健康保険料が大幅に増加…裁判所「5000万ウォン以下は取り消し」=韓国
韓国の裁判所が、ベンチャー企業の従業員が行使したストックオプション(株式買収選択権)から得た利益について、年間5000万ウォン(約571万円)以下は国民健康保険料の賦課対象から除外するという判決を下した。

 ストックオプション(Stock Option)とは、従業員が将来、定められた価格で会社の株を購入する権利を意味する。株価が上昇すると、従業員はこの権利を利用して市場価格よりも低い価格で株を購入し、売却することで利益を得ることが可能だ。

 15日、韓国の法曹関係者によると、ソウル行政裁判所第5部は最近、ベンチャー企業A社が国民健康保険公団を相手に提起した国民健康保険料賦課処分取り消し訴訟で、原告の勝訴判決を下した。

 A社は、ベンチャー企業育成に関する特別措置法(ベンチャー企業法)に基づき、従業員にストックオプションを与えることができる企業だ。2022年5月、A社の従業員14人はストックオプションを行使し、少なくとも2400万ウォンから最大8000万ウォンの行使利益を上げた。国民健康保険公団は、行使利益の全てを含め、従業員の報酬を計算した後、A社に国民健康保険料や長期保険料を課した。

 A社は、従業員がストックオプションを行使して得た利益のうち、年間5000万ウォン以下の部分は所得税法に基づく非課税所得にあたると主張し、これを報酬から除外するよう訴えを起こした。国民健康保険法施行令は保険料算定基準となる「報酬」から所得税法にともなう非課税勤労所得を除外するよう規定している。一般的にストックオプションの行使利益は所得税課税対象だが、ベンチャー企業が付与したストックオプションの場合「租税特例制限法」により行使利益のうち5000万ウォン以下の金額に対しては所得税を賦課しない。

 反面、国民健康保険公団は租税特例制限法により所得税が課税されないだけで、所得税法にともなう「非課税勤労所得」とは見られないとし、行使利益の全額が報酬に含まれなければならないと主張した。租税特例制限法による非課税勤労所得と、所得税法による非課税勤労所得を別に見なければならないという意味だ。

 裁判所はA社の主張を支持し、勝訴判決を下した。租税特例制限法上、非課税勤労所得も所得税法にともなう非課税勤労所得と見なければならないという趣旨だ。裁判所は「租税特例制限法は所得税法の特別法と見られ、所得税法で租税特例制限法にともなう非課税勤労所得の金額を所得税法の非課税所得金額として抱き込む規定も置いている」とし、「国民健康保険料など算定の基礎となる報酬から除外しなければならない『所得税法にともなう非課税勤労所得』には租税特例制限法にともなう非課税勤労所得も含まれる」とした。

 続けて「国民健康保険法施行令が所得税法にともなう非課税勤労所得から租税特例制限法上非課税勤労所得を排除する意図だったとすれば、一般的な法令体系上、本文に所得税法の具体的な非課税勤労所得規定を明示し限定しただろう」と付け加えた。
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