国会議長と副議長候補は各党が推薦するが、議長は第1党から出すことが慣例となっている。共に民主党では、国会議長候補に禹氏と秋氏が名乗りを上げ、この日党の国会議員当選者による総会で禹氏が選ばれた。
党内では当初、秋氏が有利との見方が優勢だった。有力候補だった趙正湜(チョ・ジョンシク)議員(当選6回)が立候補を取り下げながら秋氏支持を表明し、これに李在明氏に近い鄭成湖(チョン・ソンホ)議員(当選5回)も続いた。
ところが投票では「禹氏が土壇場で逆転し、薄氷の勝利をつかんだ」(党関係者)という。李在明派の「交通整理」が反感を招いたとの分析が出ている。非李在明派とされる議員も「院内代表選出に続き国会議長候補の選出にまで(李在明派が)介入することが果たして正しいのか、と考える議員が多かったようだ」と党内の雰囲気を伝えた。
党は今月初め、国会運営を取り仕切る院内代表に李在明氏側近の朴贊大(パク・チャンデ)議員を選出した。過去の院内代表選では3~4期目の議員を中心に多数が立候補してきたが、今回は朴氏しか立候補しなかった。その朴氏がこのほど趙議員と鄭議員に国会議長候補選からの撤退を説得したとの話も流れた。朴氏は否定したものの、2議員の立候補取り下げが他の議員の反感につながった可能性がある。
一方、禹氏よりも強硬派イメージの強い秋氏に対する議員個々の評価が今回の結果につながったという見方も出ている。ある議員は「誰が国会議長をより上手く務められるかを判断した結果なのではないか」と話した。また禹氏が、故金槿泰(キム・グンテ)元民主統合党(共に民主党の前身)常任顧問が中心だった集まり「経済民主化と平和統一のための国民連帯(民主平和国民連帯)」に属し、党議員と幅広く交流してきた点も勝因に挙げられた。
秋氏に対する個人の評価が作用したとしても、李在明氏の意向が通らなかったという点で同氏とその側近に負担が生じる可能性がある。非李在明派が戦略的に団結した場合、李氏の代表再任ムードに影響を及ぼすこともあり得る。
ただ、李在明氏側は今回の結果の拡大解釈を警戒する雰囲気だ。李氏もこの日記者団に「(この結果は)議員当選者の判断であり、党の意向として見なすべきではないか」と答え、「候補が誰であれ、国民の意をくむ議長として役割を立派に務めるだろう」と強調した。
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