ソウル市瑞草区にある国際電子センターの売り場に並ぶフィギュア=(聯合ニュース)
ソウル市瑞草区にある国際電子センターの売り場に並ぶフィギュア=(聯合ニュース)
【ソウル聯合ニュース】韓国政府が消費者の安全強化策として特定の製品を対象に海外通販サイトの利用を制限する方針を発表したことに、ゲーム・アニメーションファン、パソコン周辺機器・アクセサリーに関心の高い人たちは戸惑いを隠せずにいる。

 政府は16日に発表した対策で、玩具や衣類など子ども向け製品34品目と電気・生活用品34品目について、国家統合認証マーク(KC)を取得していない製品は海外電子商取引(EC)サイトからの取り寄せを全面的に禁止するとした。

 大人の消費者も多いゲーム・アニメキャラクターのフィギュア、プラモデル、パソコン周辺機器・アクセサリーなども禁止品目に該当し、個人が海外ECサイトで購入した場合に韓国搬入が制限される可能性が高い。

 アニメ・ゲーム、電子機器好きが足繁く通うソウル・瑞草の国際電子センターと竜山の電子商店街では17日、政府の発表に戸惑いや否定的な反応を示す人が多かった。

 国際電子センターを訪れた20代は「きのう出た政策に驚いた。今後国内ではフィギュアやグッズの入手が困難になるか、高値で購入するほかないだろう」と嘆いた。また「上の世代が海外サイトでよく購入するゴルフ用品や釣り竿、高級香水は規制を免れた」と不満を漏らした。

 プラモデルを見ていた20代の来店者も「販売目的でなく、個人の趣味のために自分のお金を使おうとするのを政府が妨げる理由は何なのか」と問い返した。

 電子商店街を訪れていた40代のゲーム愛好者は、最近パソコンを買い替えた際に中国EC大手アリババでケーブルを購入したとしながら「電線が規制対象というなら、今後が心配だ」とつぶやいた。

 ネットコミュニティーや交流サイト(SNS)上でも規制方針に驚きと不満の声が相次いでいる。パソコンのハードウエアに関するコミュニティーでは「海外サイトで1万ウォン(約1150円)くらいの部品を国内では4万ウォンで買うことになる」「消費者が海外サイトを利用する根本的な原因となっている国内の流通構造は変えず、規制ばかりする」などとの意見が上がった。

 X(旧ツイッター)では、子どものころからの好みをライフスタイルに取り込んでいる大人やサブカルチャーのファンなどに広く打撃を与えかねないとの意見が少なくない。一方で「有害な製品の流通を防ぐことは政府がすべきこと」として今回の措置を支持する投稿もあった。

 ゲーム利用者協会の李哲宇(イ・チョルウ)会長は規制対象に関し「品目があまりにも広範囲と思われる」と指摘した。海外サイトで購入した子ども用品からの有害物質検出が今回の対策の背景にあることに理解を示しながらも「合理的な解釈を通じ適用範囲を調整する必要がある」と提言した。

 関税庁の関係者によると、禁止対象の玩具や電気生活用品の詳細は国家技術標準院や環境部などが定めることになっており、追ってガイドラインが示される見通しだ。


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