韓国の合計出産率の推移(資料:統計庁)
韓国の合計出産率の推移(資料:統計庁)
「お金持ちだけが結婚して子供を産むという言葉、とても共感します。」

17日、出産に対して悩みの多い4人(ディンクス(DINKs)・ワーキングマザー・出産を控えた父親・結婚予定者)がイーデイリーの企画「少子化時代、韓国の未来は」を主題にした座談会に参加した。彼らは異口同音に出産と育児にともなう「経済的負担」を少子化の最も大きな原因として挙げた。重くのしかかる高い住宅価格と教育費などに耐える自信がないため、出産をあきらめるしかないという。

実際に、住宅都市保証公社(HUG)の民間マンション分譲価格動向調査によると、先月時点のソウル市内の民間マンション3.3平米あたりの平均分譲価格は約3900万ウォン(約448万円)に達し、前の年の同じ月に比べ26%以上増加したことが分かった。昨年、学生1人当たりの月平均教育費(教育部調べ)も43万4000ウォン(約4万9900円)と前年比6%増加した。経済的な負担のために子どもを産まない状況が広がり、韓国の合計出生率は0.72人(2023年)と史上最低を記録した。

結婚はしたが、子どもを持たないことにしているイ・ヘミンさん(27)は「子どもを産んで育てる幸せも捨てがたいが、出産後に経験しなければならない状況は受け入れがたい」と語り、「経済的な問題が解決されなければ、子どもを産んで養育する時間もないと思い、結局ディンクスになることを決心した」と話した。2人目の子どもの出産を断念したチェ・ヒョンヨンさん(39・ワーキングマザー)も「子どもを育てるのにもお金がかかりすぎる。住宅価格が高すぎて借りた融資を返済しながら子どもを育てるのは経済的にとても大変だ」と語り、「今、2人目を産む考えは全くない」と話した。

男性の参加者らも同様の悩みを吐露した。ソン・サンドクさん(34、出産を控えた父親)は「周りの友達を見ると、職場がきちんと決まらないと恋愛さえしない。そのような人々は出産どころか結婚とも距離が遠いのではないか」と語り、「着実に仕事をしなければならない状況で、出産と育児に時間がかかりすぎるために子どもを産むつもりがなくなる」と指摘した。

また、不妊夫婦に対する支援が不十分だとの指摘も提起された。体外人工受精に必要な検査と薬の処方などに少なくとも数十万ウォンから多い場合には数百万ウォンがかかるが、これに対する支援が事実上皆無だという。特に妊娠に失敗した場合には支援金を返還しなければならない事例もあり、これに対する不妊夫婦の疲労感も相当なものだ。

専門家らは、実証分析のない対策だけを打ち出す現在のやり方では、数兆ウォンの予算をつぎ込んでも効果を出せないまま悪循環が続くだろうと指摘している。ヨンセ(延世)大学社会福祉学科のキム・ジンス教授は「ひとりひとりが子供を産むことができない環境と特性を把握し、個別・具体的な欲求と状況を考慮して支援しなければならない」と指摘している。
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