賠償請求が認められた被害者の故キム・サンギさんについて、川崎重工業側はキムさんの生前の陳述書以外に被害を認める証拠がないと主張した。原告側の弁護人は慰労金の支払い決定などが書かれた公的な記録で被害事実を立証できると反論した。
地裁は弁護人の主張を認め、徴用被害の事実と、故人となったキムさんへの慰労金支給を認定した。
韓国南部の全羅南道・順天在住だったキムさんは1945年2月に突然徴用された。兵庫県にあった川崎車両の工場で約半年にわたり、空襲にさらされながら労働を強いられた。光復(植民地支配からの解放)後にどうにか帰国したが、給与は受け取ることができなかった。
一方で地裁は、遅れて訴訟に参加した7人の原告には相続分を認定しなかった。
この訴訟は2020年1月に起こされたが、新型コロナウイルスの影響で長らく進展がなく、昨年弁論が始まった。
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