イ・ミンギョさんの母、キム・テオクさんの手を握るターナー氏(右)=24日、群山(聯合ニュース)
イ・ミンギョさんの母、キム・テオクさんの手を握るターナー氏(右)=24日、群山(聯合ニュース)
【仙遊島聯合ニュース】韓国南西部・全羅北道の仙遊島で24日、1977年から78年にかけて同島と全羅南道の紅島で北朝鮮に拉致された当時高校生だった5人の帰還を祈願する碑の除幕式が開かれた。被害者イ・ミンギョさんの母、キム・テオクさんは来韓中の米国のターナー北朝鮮人権問題担当特使に対し、死ぬ前に息子と面会だけでもできるよう金正恩(キム・ジョンウン)国務委員長(朝鮮労働党総書記)に伝えてほしいと訴えた。

 92歳のキムさんは車椅子に乗って除幕式に参加した。

 1977~78年に仙遊島と紅島で北朝鮮に拉致された高校生は金英男(キム・ヨンナム)さんやイ・ミンギョさん、チ・スンミンさん、イ・ミョンウさん、ホン・ゴンピョさんの5人。仙遊島で拉致されたのは金英男さんだ。碑は紅島にも設置され、27日に除幕式が行われる。

 金英男さんは北朝鮮で日本人拉致被害者の横田めぐみさんと結婚したことが確認されて母親と再会を果たしたが、残りの4人については生死も明らかになっていない。

 仙遊島で開かれた除幕式には、イ・ミョンウさんの家族を除き、4人の被害者の家族12人が参加した。家族らは生死の確認と再会だけでも実現しなければならないと口をそろえた。

 市民団体「戦後拉北被害家族連合会」の崔成龍(チェ・ソンリョン)理事長は、生死の確認が取れていない4人のうち、イ・ミンギョさんとホン・ゴンピョさんの母親は存命中であるため、非公開であっても対面する機会を作ってほしいと北朝鮮当局に呼びかけた。

 また同関係者はホン・ゴンピョさんの母親が尹錫悦(ユン・ソクヨル)大統領と金正恩氏に書いた手紙を公開した。手紙には死ぬ前に一度でも息子の顔だけでも見ることができれば思い残すことはないなどと綴られていた。

 同日の行事には、拉致被害者家族のほか、金暎浩(キム・ヨンホ)統一部長官、李信和(イ・シンファ)北朝鮮人権国際協力大使らも出席した。

 金暎浩長官は除幕式で、「北は今からでも韓国の高校生5人全員を家族のもとに送り、拉致被害者問題の解決に前向きに応じるよう改めて強く求める」と述べた。また記者団に対し、高校生5人の拉致事件を知らない人が増えており、被害者や家族の苦しみを記憶していくための努力をしていくと説明した。

 ターナー氏は「拉致被害者の家族が次第に高齢化し、行動を急がなければならない」とし、11月に予定された国連の北朝鮮に対する普遍的・定期的レビュー(UPR)など国際社会と協力し問題解決に向け努力すると述べた。


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