国際司法裁判所、イスラエルに「ラファ攻撃を直ちに中止」緊急命令

国連最高裁判所の国際司法裁判所（ICJ）が24日（現地時間）、イスラエルにガザ地区最南端ラファへの攻撃を直ちに中止するよう命令した。

　ICJはこの日午後、オランダ・ハーグで開かれた審理で「イスラエルはラファでの軍事攻撃および他のすべての行為を直ちに中断せよ」とし「ガザ地区にいるパレスチナ人の生活環境全体あるいは一部に対する物理的破壊を招く恐れがある」と主張した。

　また、裁判所はイスラエルに、ガザ地区に対する大規模な人道的支援が可能になるよう、エジプトと通じるラファ検問所を開放し、現場状況調査のための制限のない接近権を保障するよう求めた。同日、命令による後続措置の報告書を1ヵ月以内にICJに提出するよう促した。

　ハマス側には、イスラエルの人質の即時かつ無条件の解放を再度要求した。

　この日の判断は、南アフリカ共和国が10日、ICJにイスラエルのラファ攻撃を制止するために臨時措置の性格の緊急命令を下すよう要請したことによるものだ。南アフリカ共和国は昨年12月、ICJにイスラエルを集団虐殺の疑いで提訴して以来、計4回、緊急命令を下すよう要請した。

　この日のICJ決定は、20日、「戦争犯罪」疑惑でイスラエルのネタニヤフ首相、ヨアブ・ガラント国防長官に対して国際刑事裁判所(ICC)が逮捕令状を請求したことで一層注目された。ICJの追加命令により、ガザ地区への攻撃を中止して休戦に合意せよという国際的圧力がさらに強まるものとみられる。

　ただし、イスラエルがこれまでガザ地区戦争の正当性を主張し、ICJの命令を履行してこなかった点を考慮すると、今回も履行を拒否するものと見られる。ICJの臨時命令は法的拘束力はあるが、ICJがこれを強制する権限はない。

　アントニオ・グテーレス国連事務総長は24日（現地時間）、国連最高裁判所の国際司法裁判所（ICJ）がイスラエルにガザ地区最南端のラファ攻撃を直ちに中止するよう命令したことについて、「拘束力のある決定」と話した。