6月1日、ソウルの都心部は多様性を象徴する虹色で埋め尽くされた。「2024第25回ソウルクィア(Queer)文化祭」に参加した市民約3万5000人が虹の旗を振りながら行進した。同日、同性愛に反対する団体の対抗集会も行われ、ソウル都心部が混雑した。

ソウル市チュング(中区)ナムデムンロ(南大門路)とチョンノ(鍾路)区ウジョングクデロ(郵政局大路)一帯で1日の午前11時から25回目のクィア祭が開かれた。多様な年齢と国籍、宗教を持ったイベントの参加者らは最高気温が30度に達する初夏の暑さの中、街を歩きながらイベントのスローガンである「イエス、クィア」と叫んだ。

この日、参加者らはさまざまな国や宗教で用意したイベントブースを楽しんだ。欧州連合(EU)代表部とデンマーク・フィンランド・ノルウェー・ドイツ・米国など各国の大使館は自国のクィア文化の広報を行い、虹模様のタトゥーシールなどのグッズを配布した。

宗教界では大韓仏教チョゲジョン(曹渓宗)社会労働委員会が差別のない社会を象徴する五色のひもを性的少数者の手首に巻きつけ、カトリック人権委員会が虹のステッカーとリボンを配布して参加者と記念写真を撮影した。

この日の行事を準備したソウルクィア文化祭組織委員会がイベントの開幕を知らせ、スペースの提供を拒否したソウル市に対し遺憾の意を示した。ヤン・ソンウ組織委員長は「25回目のイベント開催を記念するために場所を借りようとしたが、何かと理由をつけ4回拒絶された」と述べ、「今日は差別を受けて良い人などいないことを全身で、各自の方法で証明してみよう」と語りかけた。続けて「『イエス、クィア』という簡単だが社会に向けた前向きなメッセージを込めたスローガンを作るに至った」と述べ、「五色の鮮やかな旗を翻(ひるがえ)しながらソウルの真ん中をプライドを持って歩いてみよう」と付け加えた。

組織委員会とイベントの参加者約3万5000人は午後4時30分からミョンドンソンダン(明洞聖堂)と韓国銀行、ソウル広場に向けて行進を始めた。行進を眺める人々の反応は様々だった。米サンフランシスコから旅行のために韓国を訪れていたマーガレットさん(69)は「米国ではクィアはとても馴染み深く、実はあまりにも当たり前のことだ」と話し、「韓国ではまだ偏見があるが、それは本当に不幸なことであり、正しい教育が行われるべきだ」と話した。

一方で、チョン・ウンヨンさん(60)は、「(性的少数者が)こんなに多いとは知らなかったし、あの人たちを理解している」と語りながらも、「私たちは年を取りすぎて、少し受け入れがたい部分がある」と話した。ノ・スンファンさん(65)は「自分たちだけで楽しむのは良いが、大規模な集会を開くのはだめだと思う」と話した。

この日、中区世宗大路では、市民団体「神聖な防波堤」がクィア文化祭に対抗する集会を開いた。集会の参加者たちは同性愛と差別を禁止する法律の制定に一斉に反対した。聖なる防波堤側は報道資料を通じて「ソウルクィア祭組織委は今年も差別禁止法と性革命を推進するイベントの開催を進めている」とし、「国民の名前でこれを防ぐために集会を開く」との声明を出している。

クィア文化祭の主催者側の推算で約15万人がイベントに参加し、付近の道路では交通渋滞が発生した。ソウル市交通情報システムによると、午後5時時点で世宗大路と郵政局路など、イベントが開かれた現場近くの道路で交通渋滞が発生した。警察はイベント会場と行進経路の周辺に可変車線を設置し、交通警察約190人を配置して車両の移動と歩行者の誘導を行った。
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