NVIDIA、12個のHBMを搭載した新GPU「ルービン」を初公開 …SK・サムスンの恩恵も続く見通し
NVIDIA、12個のHBMを搭載した新GPU「ルービン」を初公開 …SK・サムスンの恩恵も続く見通し
NVIDIAのジェンスン・ファン最高経営責任者(CEO)が、最大12個のHBM(高帯域幅メモリ)を搭載した新たなグラフィック処理装置(GPU)の「ルービン(Rubin)」を初公開した。この発表は、今年下半期に発売予定のブラックウェル(Blackwell)GPUのロードマップを3月に公開してからわずか3か月しかたっていない。そのため次々世代GPUとも言えるルービンは、過去最多のHBMを搭載する予定だ。SKハイニックスやサムスン電子など韓国の企業にとっても恩恵が続くと見込まれている。

 2日、ファン氏は台湾台北の国立台湾大学スポーツセンターで開催された台北国際電脳展(コンピューテックス台北)の基調演説で、新GPU「ルービン」の詳細を明らかにした。

 ファン氏によると、ルービンGPUには第6世代のHBM4が8個、ルービンウルトラGPUには同じくHBM4が12個搭載される見込みで、来年の発売が有力視されている。韓国企業のサムスン電子やSKハイニックスは、それぞれが公表したロードマップで、来年にHBM4の開発と量産を目標に掲げている。

 HBMは、複数のDRAMを垂直に積み上げてデータ処理性能を大幅に向上させる高付加価値メモリだ。これはNVIDIAのGPU性能を最大限に引き出すために欠かせず、AI半導体においても中核的な役割を担っている。そのため、AI半導体ではGPUの横に搭載されている。

 今年3月、NVIDIAは次世代GPUの「ブラックウェル」を発表した。これは、今年下半期に発売される予定だ。ルービンプラットフォームは、次世代製品のリリースに先立ち発表されたため、次々世代のGPUとも呼べる製品だ。

 さらに、ファン氏はこの日、ブラックウェルGPUのアップグレード版であるブラックウェルウルトラGPUに、12層のHBM3Eが8個搭載されることを発表した。サムスン電子は現在、NVIDIAと共同で12層HBM3Eの品質テストを進めており、上半期には量産を開始する計画だ。SKハイニックスも、第3四半期に12層HBM3E製品の発売を予定しているという。

 NVIDIAが来年のGPU発売ロードマップをすでに公開していることから、SKハイニックスやサムスン電子といった主要パートナーの恩恵が継続することが期待されている。市場調査会社トレンドフォースによると、全世界のDRAM売上におけるHBMの割合は、昨年の8%から今年は21%に増加し、2025年には30%を超えると予想されている。
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