韓国首相、南北軍事合意の効力停止に「国民の安全が脅かされれば、必要な行動が可能となるべき」

韓国のハン・ドクス（韓悳洙）首相は4日、韓国政府が南北間の敵対行為を禁止する “9・19南北軍事合意”の効力を完全に停止したことについて「『われわれはもしもの事態に備え、すこしの手抜きもあってはならない』ということから始まったものだ」と語った。

ハン首相はこの日、政府ソウル庁舎で出入り記者たちと定例懇談会を開き、先のように語った。

特にハン首相は「国民の安全を脅かすことがあれば、必要な行動をとることができなければならない」とし「北朝鮮が設定する条件に安保を依存させることはできない」と強調した。

韓国政府が南北軍事合意の完全停止期間を “南北間の相互信頼が回復するときまで”と明らかにしたことに関する質問に、ハン首相は「国際的基準と国際法・国連安保理決議に基づいた行動だ」と答えた。

北朝鮮が韓国に汚物風船を飛ばしたことに対し、韓国の（民間）対北団体たちが北へのビラ散布を再開しようとしていることについて、ハン首相は「現在の判断もあるが、政府が『しないでほしい』と伝えるのは困難な状況だ」と語った。

現在は、南北国境地域での対北ビラ散布を規制する “対北ビラ禁止法”に対し「表現の自由を過度に制限したものだ」として、昨年9月に憲法裁判所が違憲の決定を下した状態である。

今回の懇談会に先立ちハン首相は、この日の午前に開かれた国務会議の冒頭発言で、南北軍事合意の全効力停止について「これまで制約を受けてきた軍事境界線（MDL）一帯での軍事演習が可能になり、北朝鮮の挑発に対するわれわれのより十分かつ即時の措置を可能にするものだ」とし「わが法が規定する手続きにしたがった合法的なものだ」と強調した。