これについて、基準年の変更にともなう統計的現象であり、あまり意味がないと指摘する声が少なくない。韓国銀行は国内総生産(GDP)を集計するシステムの基準年を15年から20年に変更した。その結果、1人当たりのGNIが3万3745ドル(約525万円)から3万6194ドル(約563万円)に7.2%増えたということだ。経済構造が毎年少しずつ変化するため、これを5年単位にまとめて統計に反映させるためだ。
それでも、1人当たりのGNIが日本を追い越したことには2つの観点で意味がある。ひとつは、韓国経済の成長の結果だという点だ。基準年の変更は統計的誤りの訂正とみるべきだ。韓国経済は技術発展によって新産業と新商品が早いサイクルで生まれている。1人メディア共有空間の電子商取引オンライン動画サービス(OTT)や、人工知能(AI)関連の事業などがその例だ。2015年時点ではこのような分野の付加価値が加味されていなかった。基準年の変更を通じて、これまで反映されていなかった成長が含まれた結果だとするのが妥当だ。
もうひとつの観点は、日本経済の後退がもたらした結果だという点だ。日本の1人当たりのGNIは、円安の影響を受けて2022年の3万6337ドル(約565万円)から昨年は3万5793ドル(約557万円)へ1.5%減少した。時系列を拡張してみると後退していることがさらに目立つ。韓国銀行の経済統計システム(ECOS)によると、2003年までは日本の1人当たりのGDP(3万5410ドル/約551万円)は韓国(1万4672ドル/約228万円))の2.4倍の水準だった。しかし、この20年間で韓国のGDPは2.3倍に増え、日本は4%減少した。日本経済の後退は少子高齢化による人口減少と技術の停滞による生産性の限界を克服できなかった結果だ。韓国が1人当たりのGNIで日本を追い越したことは、絶え間ない構造改革と技術革新だけが「持続可能な成長」を実現する道であることを教えてくれる。
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