6日6日の「顕忠日」は祝日で、毎年この日は朝鮮戦争やベトナム戦争により戦死した兵士や日本統治時代の独立運動家らが祀られた国立顕忠院で追悼行事が執り行われる。また、韓国全土にサイレンが鳴らされ、国民は祖国のために命を捧げた人々に1分間黙とうをささげる。追悼行事が行われる国立ソウル顕忠院は、約44万坪の敷地に、墓域が国家元首、愛国志士、国家有功者、軍人・軍務院、警察官、一般人、外国人の7つのエリアに分かれて造成されている。
「顕忠日」の式典には遺族や政界関係者らが出席した。演説した尹大統領は、先月以降、ごみをぶら下げた大量の風船を韓国に飛ばすなど挑発行為を繰り返している北朝鮮に言及。「今韓国は世界で最も明るい国になったが、休戦ラインの北側は世界で最も暗い暗黒の地になった。ここからわずか50キロほど離れたところに、自由と人権を無残に奪われ、飢えの中で生きている同胞たちがいる」と指摘。「北の政権は歴史の進歩を拒否して後退の道を歩み、我々の暮らしを脅かしている」と批判し、「政府は北の脅威を決して見過ごさない」と述べた。また、尹大統領は国造りのビジョンを語り「挑戦と革新で飛躍する国、暮らしが豊かで国民が幸せな国、若者の夢と希望があふれる国、国民が一つになって共に未来へ進む、より強い韓国を建設する」と決意を示し、「これこそが英雄たちの犠牲と献身を記憶し、その大きな意味に報いる道だと信じている」と述べた。
愛国心が高まったこの日、釜山ではとあるマンションで住人が旭日旗を掲げ、物議を醸している。韓国では旭日旗を日本帝国主義の象徴と見る向きがあり、韓国国民の多くは嫌悪感を抱いている。日本からの独立運動で命を落とした殉国烈士も追慕するこの日に、あろうことか旭日旗を掲げるという行為に、韓国国民からは「腹立たしい」といった憤りの声が上がっている。
韓国紙の中央日報によると、この日、オンラインコミュニティに「釜山ナムチョンドン（南泉洞）のマンションに旭日旗（戦犯旗）掲揚」と題する書き込みが投稿されたという。掲げられたのは住宅と商業施設の複合建物で、添付の写真からは、建物の窓に旭日旗2枚が掲げられているのが確認できる。聯合ニュースが伝えたところによると、掲げた入居者は韓国人だという。
韓国ではこれまで幾度となく「旭日旗騒動」が起こってきた。先月には、国際パラリンピック委員会（IPC）が公式ユーチューブチャンネルで配信したパラアイスホッケー世界選手権の試合の映像で、日本の選手が旭日旗のロゴとともに表示テロップで紹介されたとして、大韓障害者体育会がIPCに抗議した。
旭日旗騒動は近年エスカレートしており、著名人が着ている服の柄や、企業の宣伝看板のデザインなど「旭日旗に似ている」という理由で一部の韓国人が度々問題提起している。最近では、カナダ在住のある韓国人が、バンクーバーの有名なビール会社が新たに発売した缶ビールのパッケージデザインに旭日旗の模様が使われていると主張。会社側に抗議したという。会社は謝罪し、新デザインに変更を余儀なくされた。
しかし、今回は韓国人自ら旭日旗を掲げるという従来とは真逆の行動を取ったため、ネット上では「正気か」といった声も上がっている。しかし、韓国において旭日旗に関連する処罰法は存在しない。建物の管理事務所には苦情の電話が多数かかってきているというが、事務所関係者は掲揚を止めさせることもできず、対応に苦慮しているという。
先月には、あるインターネットのコミュニティサイトに「韓国の道路で旭日旗車両を目撃した」との投稿があった。掲載された写真からは、高級外車のリアガラスに旭日旗のステッカーが2枚貼られているのが確認できる。
旭日旗に関して、このような行動を取る者が相次いで現れたとなれば、旭日旗を「戦犯旗」と決めつけ、不快感を示す姿勢との矛盾を突かれことになりはしないか？
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