あらゆる人間模様を主人公として受け入れるジャンルがドラマだが、“記者”と呼ばれるキャラクターはこれまであまり人気がなかった。やぼったい手帳を持ち歩いてどこにでも登場し“捜査妨害”をしたり、特ダネのためなら義理などお構いなしのみすぼらしい姿で登場するのがほとんどだった。MBCが、5月14日から放送する16部作ドラマ『スポットライト』は、放送局で働く社会部記者たちの日常を描く。正義のために疾走する警察の横にピタリとついて歩く記者ではなく、“本物の記者”を見せる“専門職ドラマ”だ。放送を控えて、男女主人公を務めているチ・ジニ、ソン・イェジンと会った。

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それぞれ、新人記者役、社会部のチーム長役を演じているソン・イェジンとチ・ジニ。まず記者についてどう思うか聞いてみた。「遺族をインタビューするシーンを撮っていてとても涙が出た。記者も人間なので、このような状況では感情的になると思っていたのに、演技指導をしてくれた報道記者の方は、このような状況で感情的になってはいけないと指摘した。もし私が記者だとしたら、とてもそんなクールにはなれないと思った」

ドラマ『恋愛時代』や映画『無防備都市』などで様々なキャラクターを演じてきたソン・イェジンにも演じるのに難しい役があるのだと知った。「事件を担当する間は、女性を捨てなければいけないと聞いた。警察署で寝起きし、危険な現場も行き来しなければいけないからとのこと。それでドラマの中では、何日間も洗わない髪に同じ服を着て登場する。ドラマの中で母親が久しぶりに帰ってきた娘に“そんなに汚かったら男も寄り付かないね”と言う場面があるほどだ」

ドラマ『宮廷女官チャングムの誓い』を通じて代表的な“フンナム”として定着したチ・ジニは、クールで正義感あふれるチーム長の役を演じる。ソン・イェジン演じる“ソ・ウジン”とロマンスラインを維持しながらも、仕事と記事を最優先に考える一番記者らしい人物として登場する。「演技指導を受けた記者たちは、体の大きさに関わらず、すべての記者たちが警察のような鋭い眼差しを持っていた。真実のみを追究する“記者魂”を身に付けるため努力した。これまで、記者を扱ったドラマが不振に終わっているが、今回は、ディテールな演技で勝負するだけに視聴率には自身がある」

“専門職ドラマ”の成功事例を見せたドラマ『白い巨塔』のイ・ギウォンが脚本を手がけ、チ・ジニがいち早く主役にキャスティングされ、“ソ・ウジン”役を誰が演じるのか、注目が集まっていた。しかし制作陣は最初からソン・イェジンを主役に決めていたという。「あらすじを見た瞬間、この作品を逃してはいけないと思った。私にとってドラマは映画よりも愛着がある。『恋愛時代』で大衆に受け入れられたからという理由も大きい。キム・ジュハ、キム・ウネアンカーの話しをたくさん聞いた。直接会うことは出来なかったが、体験談が演技をする上で大きな力になった」

ソン・イェジン、チ・ジニにとって今回の作品は自らの定型化された演技の枠を覆す絶好の機会とも言える。“男らしい”イメージが定着しているチ・ジニにとってはなおさらだ。「『宮廷女官チャングムの誓い』でのイメージが強いと思うが、僕を昔から知っている人たちならチ・ジニがシリアスな演技しかできないわけではないことを知っているはずだ。僕の演技が固定していると言う人も多いが、反対にイメージと合わない演技をすると裏切られたような気持ちになるという人もいる」

ソン・イェジンもまた、これまでのかわいらしいイメージから抜け出すチャンスだ。「一番辛かった作品は『無防備都市』だ。私の元々のキャラクターからあまりにもかけ離れていた。『ナンパの定石』のような作品は、肩の力を抜いて演じることが出来る。これからは、内面の演技に集中して行きたい。逆境を乗り越えアンカーに成長する“ソ・ウジン”役に期待してほしい」2人の俳優の意気込みが伝わった。

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