韓国は、北朝鮮とロシアが事実上の軍事同盟といえる「包括的戦略パートナーシップ条約」を結んだことを受け、ウクライナに殺傷兵器を供与しないとの従来の立場を再検討する方針を示している。
ストルテンベルグ氏は「ウクライナへのいかなる種類の軍事支援も歓迎する。韓国は先端防衛産業が構築されており、高い能力を備えている。大規模な弾薬を保有しているほか、ウクライナが必要とする多様なものを保有している。(支援の)決定を下すのは韓国であり、われわれは韓国の決定を尊重する」と述べた。
韓国による兵器支援が行われた場合、ウクライナ戦争に与える影響については「当然、変化をもたらすだろう」との見方を示した。
ウクライナへの兵器支援に関する韓国政府の方針再検討に対し、NATO側の立場が示されたのは初めて。
ストルテンベルグ氏は、ロシアへの支援とウクライナへの支援を同等化しようとする試みは完全に間違っており、同一線上で扱ってはならないと語気を強めた。具体的には「北朝鮮の対ロシア支援と韓国のウクライナへの潜在的支援の間にいかなる道徳的等価性を与えてはならない」とし、国際法に違反してウクライナを侵攻したロシアへの支援は当然違法だと指摘した。
一方、「自衛権を行使するウクライナへの支援は合法であり、国連憲章にも明示された権利だ」とし、「対ウクライナ支援が韓国やNATO加盟国を戦争の当事者に仕立て上げることはない」と強調した。
ストルテンベルグ氏は北朝鮮を厳しく非難した。北朝鮮に対し、ロシアによるウクライナ侵攻を支援してはならないとし「国際法と国連安全保障理事会決議に違反している」と指摘した。
また、「北朝鮮とロシアは、NATOと米国がウクライナで失敗することを望んでおり、アジアでは強力な立場を築くことを望んでいる」と主張。北朝鮮が地域の安定だけでなく世界の安定も脅かしていると指摘した上で、「NATOと韓国が親しいパートナーとして北朝鮮の挑戦と脅威に対応していくことが重要だ」との考えを示した。
今回のインタビューは7月に米ワシントンでNATO首脳会議が開催されるのを前に行われた。NATOはアジア太平洋パートナー(AP4)の韓国、日本、オーストラリア、ニュージーランドの首脳を3年連続で招待した。
これについてストルテンベルグ氏は「NATOのパートナー国のうち、AP4ほど能力を備えた国はない」とし、「安全保障は地域の懸案ではなくグローバルな懸案だ」と強調した。
また「NATOは北米と欧州地域の同盟として残るが、同時に世界的脅威に直面している」とし、「同じような考えを持つ国々と協力することが重要だ」との見解も示した。
韓国と協議中の協力分野に関連しては、サイバー技術、軍備管理などさまざまな分野に関する検討が行われていると説明した。
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