ソウル市庁駅交差点で交通事故を目撃したパク・ソンイルさん(43)はこのように話した。黒い車が突然単独で逆走し、歩行者10人余りをはねたとパクさんは説明した。パクさんは「私は道路の反対側にいて(事故を)目撃したが、少し前に私がいたところ」と語り、「もう少しそこにいたら私が犠牲者になっていたはず」と話した。
1日午後9時28分ごろ、ソウル市チュング(中区)テピョンノ(太平路)で、ある車両が歩道に突っ込む事故が発生し9人が死亡、4人が負傷した。この事故を目撃した人々は、車両が逆走して歩道にいた人々を次々にはねたと証言した。
事故現場には逆走車が残した痕跡が多く残っている。歩道と車道を分ける保護フェンスは車が衝突した衝撃で全て粉々になっており、犠牲者の痕が残った場所は消防当局が張ったテントで隠されていた。ある店舗は事故当時に飛んで来た破片で窓が粉々に割れていた。事故現場近くのコンビニエンスストアには営業中を知らせる照明が入っていたが、ドアが固く閉ざされていた。
事故当時、道路の向かい側にいた50代のイさんは「道を渡って見てみたら、車が逆走してみんなをはねて通り過ぎた」と語り、「歩道にいた人々をはねて通り過ぎた。ブレーキもかけていなかった」と主張した。事故現場近くの商人たちは皆ぼんやりと現場を眺めていた。
近くの店で食事をした50代の女性Aさんは「食事を終えて出て来たら15人程度の人が倒れていた」と語り、「食べ残して早く店を出ていたら私が怪我をするところだったと思うととても怖い。心臓がどきどきして落ち着かない」と話した。60代のキムさんは「車輪の下にも犠牲者がいて、少なくとも10人は死亡したはず」と語り「心肺蘇生法さえ行えないような状況だった」と伝えた。
事故現場の片隅には犠牲者の知人たちとみられる一行がいた。人々は1時間前まで一緒に会食をしていた同僚が死亡者名簿に入っているという事実にぼう然自失していた。一行の中のある人は「こんなことがあっていいのか」と涙を見せた。現在、消防当局は犠牲者の身元確認を進めている。知人たちは事故現場に入れてほしいと訴えたが、事故現場を統制する消防当局の関係者らに制止された。
消防当局は死亡者の身元の確認が完了し次第、遺族に伝える予定だ。事故を起こした70代の男性は現在、運転する車が急発進したと主張しているという。
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