タクシーで300キロ、目的地3回変更し、料金払わず逃げた乗客=韓国
タクシーで300キロ、目的地3回変更し、料金払わず逃げた乗客=韓国
タクシーを7時間利用した後、料金を払わずに逃げた男の姿が公開された。

タクシー運転手Aさんは今月8日、JTBC「事件班長」で客に無賃乗車されたことを明かした。

Aさんは今月3日、カンウォン(江原)ナムチュンチョン(南春川)駅付近で松葉づえを付いた50代の男を乗せた後、約10分の距離にあるハンリム(翰林)大学ソンシム(聖心)病院付近の飲食店街に移動した。

しかし、目的地に到着した男はしばらくしてから再びタクシーに乗り、「急に買わなければいけない物がある」と言い、「春川からウォンジュ(原州)の往復費用として20万ウォン(約2万3000円)を払う」と提案した。

そして、Aさんは約1時間、車を走らせ原州に到着した。しかし男は探している物がないと言い、今回はキョンギ(京畿)ソンナム(城南)に行ってほしいと要請した。

その後、170キロを走り城南に到着すると、男は「物を買う金が足りない」と言い、現金75万ウォン(約8万7000円)を貸してほしいとAさんに要請した。Aさんがこれを拒むと、男は「さっき払ったタクシー代20万ウォンに5万ウォンを加えて貸してほしい」と再度要求した。

男のしつこい要求にAさんは財布にあった5万ウォンにタクシー代を加え、計25万ウォン(約2万9000円)を貸した。男は、「春川に戻るタクシー代を含めて50万ウォン(約5万8000円)を返す」と言いタクシーを降りると、ビルに入って行った。

Aさんによると、男はタクシーで300キロの距離を移動する間、自身の電話番号を教え、自宅の住所と妻と死別したことなどを話した。また、かばんの中にある約200万ウォン(約23万円)の現金の束を見せ、「金を数えてほしい」とまで頼んだため、Aさんが無賃乗車を疑うことはなかったと伝えられた。

しかしビルに入った男が出て来ることはなく、男が教えた番号に電話をかけても連絡はつかなかった。男が入ったビルの中に入ったAさんは裏口の存在を知り、その時になってやっと警察に通報した。

Aさんは、「1日に7時間、300キロも走って詐欺に遭った。むなしさと裏切られた気持ち、喪失感で春川に戻る道が本当につらかった」とし、「30年間タクシーを運転し、無賃乗車もされたが、こんなことは初めてだ。体が不自由な客のため心を尽くしたが、あまりにも残念で悔しい」と打ち明けた。

また、「同じような被害者が出ないことを願う」とし、「タクシー内部のCCTV(防犯カメラ)には犯人の顔と対話内容がはっきりと記録されており、警察にも通報した」と伝えた。
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