法案は同疑惑を政府から独立した特別検察官に捜査させるための「殉職海兵捜査妨害および事件隠蔽(いんぺい)などの真相究明のための特別検事の任命などに関する法律案」で、尹大統領が拒否権を発動したため、国会に差し戻される。
大統領室は「警察の捜査結果により実体的な真実や責任の所在が明らかになったため、野党が一方的に押しつけた法案は撤回されなければならない」と表明。「殉職を政治的な意図で悪用することも二度とあってはならない」とした。
尹大統領が国会で可決した法案に拒否権を行使するのは15件目となる。
警察は8日、同事件の捜査結果を発表し、海兵隊第1師団の旅団長ら現場指揮官6人を業務上過失致死の容疑で送検すると明らかにした。だが、イム・ソングン前海兵隊第1師団長については「嫌疑なし」と判断したとして、送検しない方針を示した。
野党は尹大統領がイム氏の容疑を認めた海兵隊捜査団の初動調査報告を受け、イム氏を立件しないよう圧力をかけた疑いがあると主張している。
尹大統領は5月、国会で過半数の議席を握る「共に民主党」の主導で可決した同法案に拒否権を発動。再び採決が行われたが、否決された。共に民主党は4月の総選挙で当選した国会議員で構成された新たな国会に改めて法案を提出し、今月4日に強行採決で可決した。
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