インド太平洋軍司令部は、米国の最大の脅威として台頭する中国をけん制するパートナーとしてのインドの重要性を踏まえ、2018年に太平洋軍司令部から改称された。
韓国大統領がインド太平洋軍司令部を訪れるのは、前身の太平洋軍司令部時代を含めて29年ぶり。1981年に当時の全斗煥(チョン・ドゥファン)大統領が、95年には当時の金泳三(キム・ヨンサム)大統領が同司令部を訪問した。
米国の六つの地域別統合戦闘指令部のうち、インド太平洋軍司令部は規模と軍事的重要性が最も高い。最大の脅威である中国とロシアを対象とするのに加え、台湾、日本、朝鮮半島などの主要戦略地域が含まれているためだ。
規模だけでも、米西海岸からインド西部の国境、南極から北極まで地球の面積の約半分を占める広大な地域を管轄。在韓米軍司令部も指揮し、朝鮮半島の安全保障において極めて重要な役割を担っている。
尹大統領はこの日午前、インド太平洋軍司令部に到着して歓迎行事に出席し、パパロ司令官と朝鮮半島や域内の軍事・安保懸案について議論した。
この席で、尹大統領は「北の核・ミサイル能力の高度化と持続的な挑発が朝鮮半島と域内の安保を損ねている」として「いつにも増して確固たる連合防衛体制が緊要であり、そのためのインド太平洋軍司令部の役割は重い」と述べた。
続けて、朝鮮半島の連合防衛体制を維持するための同司令部の努力に謝意を表し、韓米軍事当局間の緊密な協力を強調した。
パパロ司令官をはじめ、在韓米軍のラカメラ司令官、太平洋陸軍のフリン司令官、太平洋空軍のシュナイダー司令官、太平洋艦隊のケーラー司令官、太平洋海兵隊のジャーニー司令官など、主要司令官も尹大統領を出迎えた。
また、尹大統領はインド太平洋軍司令部の将兵約200人に対し、現職大統領として29年ぶりに同司令部を訪問したのは朝鮮半島の厳しい安保状況の中で韓米同盟と連合防衛体制をさらに強化するためだとして、「将兵たちの献身的な努力は韓米同盟と国際社会の連帯を導く真の力」と激励した。
韓国大統領室は、尹大統領が米ワシントンで開かれる北大西洋条約機構(NATO)首脳会議に先立ち、太平洋地域の軍事・安保戦略の要衝地であるインド太平洋軍司令部を訪問して韓米同盟の強力な結束と力を誇示したと説明した。
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