最低賃金委員会は12日に開かれた第11回の全員会議で、労使が最終的に提示した5回目の要求案(経営者側1万30ウォン、労働者側1万120ウォン/約1172円)をめぐって投票した結果、経営側の案である1万30ウォンで議決された。最終提示案を提出した直後、民主労総が推薦した勤労者委員4人が退場し、在籍委員27人のうち23人が参加して経営者側の要求案14票と労働者側の要求案9票の投票結果となった。今年の最低賃金(9860ウォン/約1141円)より1.7%上がった水準で、月給(1日8時間ずつ、週5日勤務した場合)に換算すると209万6270ウォンだ。最低賃金は8月5日、雇用労働部の告示を経て来年の1月1日から適用される。
最低賃金委員会は、来年度の最低賃金の適用を受ける労働者は、雇用形態別の労働実態調査によると47万9000人(最低賃金の影響率2.8%)と推算している。これは今年の人数(65万人、影響率3.9%)より低くなる水準だ。また、経済活動人口の付加調査では301万1000人(影響率13.7%)が影響を受けるものとみている。この基準上、今年影響を受ける労働者数は334万7000人(影響率15.4%)だ。
深夜1時に11回目の会議が開会し、労使は公益委員に「審議促進区間」を要請した。これは最低賃金審議を進めるために、公益委員が一定の区間を提示してほしいという要請だ。これに対して公益委員は「1万ウォンから1万290ウォン」を審議区間として提出した。最低賃金がこの区間の間で決定されるという意味で、労使はこの区間内で最終提示案を要求するためにそれぞれ会議を繰り返した。
午前2時、経営者側は最終案として1.7%上昇した1万30ウォン、労働者側は2.6%上昇した1万120ウォンを提示し、ただちに表決に入った。この過程で民主労総が推薦した勤労者委員4人は退場した。結果、経営者側案14票と労働者側案9票で、労働者委員4人が表決に参加したとしても結果は変わらなかった可能性が高い。
しかし、低賃金労働者の最低賃金を少しでも上げるために表決に参加しなければならなかったのではないかとの批判が起こることが予想されている。これに対して勤労者委員幹事の一人であるイ・ミソン民主労総副委員長は退場直後の記者会見で「物価高騰と実質賃金が2年間にわたり下落した点が全く反映されないまま審議促進区間が提示されたことに遺憾の意を表わす」と述べ、「審議促進区間が納得し難い水準で(公益委員らが)提示することは意味がないと判断した」と述べた。
勤労者委員とはまた別の幹事である韓国労総のリュ・ギソプ事務総長は「公益委員が提示した審議促進区間の中で、韓国労総労働者委員は低賃金労働者の賃金引き上げのため、苦肉の策の心情で時給1万120ウォンを提示し、表決に参加した」と述べ、「低賃金労働者の生活安定のために最善を尽くした交渉だったが、制限された条件の中での残念な決定であることを認める」と述べた。
イ・インジェ最低賃金委員長は「労使共に満足する合意を引き出すことができなかった点は残念だ」と述べた。さらにイ委員長は「特に今年は最低賃金委員会のシステムをどのように改編するかに関する議論が多かった」と述べ、「さまざまな案があるが、雇用労働部を中心にシステム改編に対するさらに深い議論とその後の措置を望む」と述べた。
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