映画祭レッドカーペットで、左からソン・ガンホ、チョン・ウソン、キム・ジウン監督、イ・ビョンホン(CJエンターテインメント提供)=24日、カンヌ(聯合)
映画祭レッドカーペットで、左からソン・ガンホ、チョン・ウソン、キム・ジウン監督、イ・ビョンホン(CJエンターテインメント提供)=24日、カンヌ(聯合)
キム・ジウン監督の話題作『良い奴、悪い奴、変な奴』。これまでの韓国映画には見られなかった韓国式ウエスタンというジャンルを開拓したこの作品には、170億ウォン規模の制作費が投じられた。映画産業の危機が叫ばれるなかでの封切りに重い期待がかかる。
 
<カンヌ国際映画祭>非コンペ部門への招待を受け、当地を訪れているキム監督が24日、韓国記者団とのインタビューに応じた。イ・マンヒ監督の『鎖を切れ(原題)』とセルジオ・レオーネ監督の『続・夕陽のガンマン』をモチーフとしたこの作品で、キム監督は「ウエスタンというジャンルを通じ、人生がどんなに凄絶なものかと見せたかった」と語る。以下は一問一答。

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―カンヌへ来た感想は。
「国内封切用バージョンとカンヌ映画祭用バージョンは異なるのだが、カンヌ版も完成品ではなく、そうしたものをお見せすることを申し訳なく思う。期待半分、心配半分だ。未完成版にもかかわらず(招待作品に)選択してくれたカンヌに敬意を表する(笑)」

―国内版では結末が異なるのか。
「通常の映画もリスク負担を最少化するため、代替用のエンディングがあるものだ。この作品は『続・夕陽のガンマン』へのオマージュだが、これにも異なるバージョンがたくさんある。国内版では、大衆が最も好むであろうエンディングは何だろうかと悩んでいる。カンヌ版は映画祭でなければできない、封切作品にはあり得ないバージョンにした」

―かなりの制作費で、興行へのプレッシャーも大きいと思うが。
「ソン・ガンホ、イ・ビョンホンチョン・ウソンの3人と(ロケ地の中国で)楽しく遊んで戻ってきたら、皆が心配しているので驚いた。制作費がかかったのは内容にふさわしい絵を撮っているうちにやりすぎたためだ。ハリウッド大作になじんだ観客に目を向けてもらおうと。システム、インフラがしっかりしていれば解決できる部分もあるが、そうもいかずスタッフや俳優の苦労で埋めたところも多い。その苦労に興行でお返しできたらと思う。初めて、ヒットしたらいいなと思っている」

―映画はどのように構想したか。
「ソン・ガンホの次回作を一緒にやろうと約束していたのだが、彼が荒野で馬に乗り二丁拳銃を振り回したらとても面白いだろうと考えだ。ウエスタンはやりたいジャンルだったが、方法論に悩んでいたときにイ・マンヒ監督の『鎖を切れ』を見て、忘れられていたジャンルを再発掘するのだという意味ができた」

―レオーネ監督に対するオマージュはどの部分に現れているか。
「『続・夕陽のガンマン』ではクリント・イーストウッドが演じたブロンディーが映画をリードする。イーライ・ウォラック演じるトゥーコがリードしたらもっと面白いのではと思った。霊感とモチーフを『続・夕陽のガンマン』と『鎖を切れ』から受けたと見てくれていい」

―ソン・ガンホは馬ではなくオートバイに乗っているが。
「ソン・ガンホが馬を怖がるので。イム・スジョンでも乗れるのにどうして乗れないんだと言った(笑)。『鎖を切れ』でオートバイで疾走するシーンが印象的だったので、面白いと思った」

―ほかの俳優については。
「イ・ビョンホンも馬を怖がるので苦労したが、短期間の練習でかっこよく乗ってくれた。チョン・ウソンは元々乗馬が得意だ。どの俳優も何か理想的な地点に到達する達成感があっただろう。この作品は俳優への尊敬でもある。ソン・ガンホと初めて3本仕事をした監督で、イ・ビョンホンと2本続けて仕事した監督で、チョン・ウソンまで取り込んだ初の監督じゃないか(笑)」

―どのようなメッセージを伝えたいか。
「メッセージはない。…せりふにもあるが、人間の飽くなき欲望が疾走を加速化し、その後を追い続けることが、人間の欲望が輝く風景だ。ウエスタンの銃撃戦を通じ、人生がどれほど凄絶なものかを見せようと思った。また、満州の荒野を駆け抜けることは民族的ファンタジーではないか。個人的な考えではあるが、それを娯楽映画として表現したのではないかと思う」
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