鴨肉を食べて重体になった住民から殺虫剤の成分を検出…警察が捜査に着手=韓国
鴨肉を食べて重体になった住民から殺虫剤の成分を検出…警察が捜査に着手=韓国
チョボク(初伏)の15日、鴨肉を食べて重体に陥った住民から殺虫剤の成分が検出され、警察が捜査に乗り出した。

16日、キョンサンプクド(慶尚北道)警察庁によると、前日に慶尚北道ポンファ(奉化)郡内のある食堂で鴨肉を食べ、心停止と筋肉硬直症状を見せた60~70代の女性3人の胃から殺虫剤の成分が検出された。

3人と同席した他の女性1人も奉化郡内の病院で治療を受けていたが、状態が悪化し、この日の午前10時14分ごろ、アンドン(安東)病院の救急室に搬送された。

4人に共通した初期症状は呼吸まひとよだれ、筋肉硬直などだった。いずれも殺虫剤成分である有機リン剤を飲食した時に現れる症状である。殺虫剤は人や家畜、農作物に害を及ぼす昆虫など、節足動物を除去する効果を持つ化学物質だ。

前日に入院した3人は全員意識がなく、この日入院したもう1人は会話ができない状態だと警察は明らかにした。

安東病院の医療陣は、4人を治療するために胃洗浄液を国立科学捜査研究院に送って精密鑑定を要請した結果、殺虫剤の成分である有機リン剤を確認した。

有機リン剤は、食べ物に微量で混ざった状態なら検出できない成分である。このような状況から病院側は「(相当量の)薬物摂取は確定的だと見るしかない」と家族に知らせた。

有機リン剤の他に‘エンドスルファン’と呼ばれる有機塩素系薬物も把握された。この薬物は解毒剤がなく、体で自然分解されるのを待つしかないという。

医療陣は国立科学捜査研究院に尿と血液標本も渡した。これらからは農薬は検出されず、この日の再検査を通じて結果を再度確認することにした。

事件当日、4人は敬老堂(=韓国の高齢者福祉施設)の会員たちと一緒に鴨肉を分けて食べたことが把握された。この場に集まった会員41人のうち、被害者は4人だけだという。

警察は容疑者を特定するため、敬老堂の会員たちを相手に周辺の聞き込みや防犯カメラの分析などを実施する方針だ。警察関係者は「誰かが故意に食べ物に殺虫剤を入れたと見て捜査している」と述べた。
Copyrights(C) Herald wowkorea.jp 83