韓国軍合同参謀本部によると、北朝鮮軍は南北非武装地帯(DMZ)の北側地域で4月ごろから地雷の埋設を進めており、その数は数万発に達する。
DMZ一帯に埋設された北朝鮮の地雷は数十万発程度と推定されていたが、新たに数万発が埋設されたとみられる。
特に先ごろ、北朝鮮軍が木の葉の形に偽装した地雷を散布する動きが確認された。地雷であると気付きにくいため注意が求められている。
韓国軍によると、「木の葉地雷」に使われている爆薬の量は約40グラムで、一般的な対人地雷(約20グラム)と木箱地雷(約70グラム)の中間程度の威力を持つ。
合同参謀本部の関係者は「木の葉地雷は肉眼で見ても区別するのが容易ではない」とし「大雨がやみ、水が減った後に水辺に残っている可能性があるため気をつけなければならない」と指摘した。
北朝鮮はDMZ一帯で、対戦車用の構造物と推定される防壁の設置と地雷埋設を並行して行っている。韓国軍は地雷埋設の一次的な目的は北朝鮮兵や住民の脱北防止と見ている。
しかし梅雨前線が北上した時期に金与正氏が新たな対抗措置に言及したことで、地雷の埋設作業が韓国軍や韓国国民に対する威嚇である可能性が提起された。
北朝鮮は水位調節を理由に臨津江の上流にある黄江ダムなどで通知なく放流を行うことがあり、これによって埋設された地雷が下流の韓国側に流れてくる可能性がある。これについて合同参謀本部の関係者は、北朝鮮が川を利用して地雷を流すことに備えていると述べた。
北朝鮮から流れてくる地雷には木の葉地雷のほか、2015年に韓国兵を負傷させた木箱地雷がある。この地雷は金属探知を避けるために木のケースに入っている。
韓国軍は、地雷の流入が意図的であるか過失によるものであるかにかかわらず、金与正氏が述べた新たな対抗措置の一つである可能性があるとみて、備えている。
金与正氏は16日に出した談話で、韓国から飛んできたビラが再び見つかったとして、ビラ散布が続く場合、「対応方式の変化は不可避」と述べた。
北朝鮮はこれまで、韓国団体のビラ散布に対し、ごみなどをぶら下げた風船を韓国側に飛ばすことで対抗してきた。
北朝鮮は大雨が予想されるにもかかわらず、流出防止のための措置を取らずに地雷を埋めていることが確認されており、合同参謀本部の関係者は「意図的であれ自然流失であれ河川に沿って流れてくる可能性が例年に比べて高い」とし「国民は河川周辺での活動に格別に留意しなければならない」と強調した。
韓国軍は地雷の流入のほか、無人機の運用、風船を飛ばす場所への攻撃、風船に向けての射撃などが行われる恐れがあると説明した。
軍当局は、「北に地雷の流失事態に対する懸念を伝えようとしたが、北が連絡そのものを拒否する態度を取っているので容易ではない」と明らかにした。現在、南北の軍通信線は北朝鮮が遮断した状態にある。
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