パベル大統領は尹大統領の要請に対し「今は回答できない」と即答を避けた。しかし、新規原発建設事業の優先交渉対象者を選定する閣議に出席した。韓国大統領室は、閣議は首相主宰で開かれたがパベル大統領が出席し、尹大統領との会談内容を伝えただろうと説明した。
尹大統領は優先交渉対象者選定を1週間後に控え、パベル大統領との会談を説得の場として活用し、トップセールスを展開した。
これに先立ち、水面下での作業も緻密に進められた。
尹大統領はここ1~2カ月の間に秘密裏に安徳根(アン・ドクグン)産業通商資源部長官を特使としてチェコに派遣した。安氏を通じてチェコのフィアラ首相に親書も渡した。
安氏は現地のさまざまな機関の関係者に会って韓国原発の競争力やプロジェクトを完成できる能力について説明した。
チェコ政府は17日に優先交渉対象者として原発運営会社の韓国水力原子力を選定した。公式発表前に韓国側にホットラインを通じて結果を伝えたという。
チェコは、韓国と競争を繰り広げたフランスと地理的、歴史的に近いため、優先交渉対象者の選定に苦心した模様だ。韓国大統領室高官は「韓米関係が非常に良好なため、域外の国を選定することに対するチェコの負担が和らいだようだ」と話している。
尹大統領は就任以来、自らを「韓国第1号の営業社員」と称し、外交の場でのトップセールスに力を注いできた。韓国政府はこうしたトップセールスの効果に加え、政府の安定的な原発政策、技術力とノウハウ、民間レベルの役割などがかみ合い、今回のような成功につながったと評価している。
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