米ワシントンで7月10日に会談した際の尹大統領(右)とパベル大統領=(聯合ニュース)
米ワシントンで7月10日に会談した際の尹大統領(右)とパベル大統領=(聯合ニュース)
【ソウル聯合ニュース】「バラカ原発事業を見て判断していただきたい」――。韓国の尹錫悦(ユン・ソクヨル)大統領が今月10日(現地時間)、北大西洋条約機構(NATO)首脳会議出席のため訪れた米ワシントンで、チェコのパベル大統領と首脳会談を行った際に同国の新規原発建設事業の優先交渉対象者に韓国企業を選定するよう要請しながら述べた言葉だという。2009年に韓国が受注したアラブ首長国連邦(UAE)のバラカ原発事業が納期順守や建設費などで他国を圧倒する競争力を見せていることを強調したものだ。受注当時はわずか3人にすぎなかったUAEの原発専門家が現在は2000人を超え、技術移転にも積極的であることを強みとして掲げた。

 パベル大統領は尹大統領の要請に対し「今は回答できない」と即答を避けた。しかし、新規原発建設事業の優先交渉対象者を選定する閣議に出席した。韓国大統領室は、閣議は首相主宰で開かれたがパベル大統領が出席し、尹大統領との会談内容を伝えただろうと説明した。

 尹大統領は優先交渉対象者選定を1週間後に控え、パベル大統領との会談を説得の場として活用し、トップセールスを展開した。

 これに先立ち、水面下での作業も緻密に進められた。

 尹大統領はここ1~2カ月の間に秘密裏に安徳根(アン・ドクグン)産業通商資源部長官を特使としてチェコに派遣した。安氏を通じてチェコのフィアラ首相に親書も渡した。

 安氏は現地のさまざまな機関の関係者に会って韓国原発の競争力やプロジェクトを完成できる能力について説明した。

 チェコ政府は17日に優先交渉対象者として原発運営会社の韓国水力原子力を選定した。公式発表前に韓国側にホットラインを通じて結果を伝えたという。

 チェコは、韓国と競争を繰り広げたフランスと地理的、歴史的に近いため、優先交渉対象者の選定に苦心した模様だ。韓国大統領室高官は「韓米関係が非常に良好なため、域外の国を選定することに対するチェコの負担が和らいだようだ」と話している。

 尹大統領は就任以来、自らを「韓国第1号の営業社員」と称し、外交の場でのトップセールスに力を注いできた。韓国政府はこうしたトップセールスの効果に加え、政府の安定的な原発政策、技術力とノウハウ、民間レベルの役割などがかみ合い、今回のような成功につながったと評価している。


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