◇出生届の漏れなくす 新生児は自治体に自動登録
出生通知制は医療機関が、子が生まれた事実と生母の氏名、子の生年月日などの情報を出生後14日以内に健康保険審査評価院に通知し、評価院が地方自治体に通知する制度だ。
2021年の統計によると、新生児の99.8%は医療機関で生まれており、同制度により今後ほとんどの新生児は自治体に自動的に登録されることになる。
情報が自治体に通知されたにもかかわらず、出生後1カ月以内に届け出がなければ、自治体が届け出義務者に7日以内に届け出るよう督促する。その後も届け出がなければ、自治体は裁判所の許可を得て新生児の出生を登録する。
◇出産や育児が困難な妊婦を助ける「保護出産制」
出産通知制の導入により、医療機関で生まれた子は自動的に自治体に登録され、保護を受けられるようになるものの、妊娠や出産を周囲に隠す一部の妊婦が自宅などで出産して遺棄する可能性が残っている。政府はこのようなケースをなくすため、保護出産制を同時に導入する。
保護出産制は経済的な理由や自身を巡る状況などが理由で子を育てるのが難しい状況にある「危機的妊婦(特定妊婦)」が仮名で入院し、自身の住民登録番号に代わる代替番号で検診を受けて出産できるようにする制度。
妊婦は保護出産を申請する前に、必ず相談を受けなければならない。また親権喪失などの法的効力、子どもの権利などについても相談を受けなければならない。
保護出産制を通じて産んだ場合でも、生母は少なくとも1週間以上新生児を養育しながら、親権などについて検討しなければならない。親権を放棄することを選択した場合も、養子縁組が決まるまではこれを撤回することができる。
保護出産制で子を産んだ場合、生母は氏名や連絡先、保護出産を選択するまでの状況などの記録を残さなければならず、この記録は児童権利保障院に永久に保存される。保護出産により生まれた子は、成人後、この記録の公開を要請することができる。
◇危機的妊婦などへの支援強化 施設への入所を緩和
政府は危機的な妊婦やひとり親家族に対する実質的な支援を強化する計画だ。
全国に121カ所あるひとり親家族支援施設への入所には所得制限があったが19日からこれが撤廃され、危機的妊婦は同施設に入所し、相談、治療、教育などを受けることができる。
またひとり親家族の経済的負担を緩和するため、所得に応じて月21万ウォン(約2万4000円)~35万ウォンの養育費を支援する。
曺圭鴻(チョ・ギュホン)保健福祉部長官は「出生通知制の導入はすべての子が出生登録される権利を保障し、公的システムで保護するための重要な一歩」とし「初めて公的資源で支援して危機的妊婦が体系的な相談を受け、どんな妊婦でも安心して病院で出産し、母と子の生命と健康を守ることができるようになった」と説明した。
同制度を巡っては保健福祉部の定期監査で2015~22年生まれの2236人の出生届が出されていないことが分かり、この一部が親に殺害されたり、遺体が遺棄されたりした疑いが強いことが判明したことを受け、法整備が急ピッチで進められた。
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