航空業界関係者によると、韓国LCCのイースター航空、チェジュ航空、エアプレミアなどの航空券予約・発券システムで不具合が発生し、ジェットスターや香港エクスプレスなど一部の海外の航空会社でもトラブルがあった。
システムが正常に作動しなかったことで、空港では職員が手書きで発券してチェックインを進めており、手続きに時間がかかっているという。
ただ仁川国際空港は独自に構築したクラウドを使用しており、空港の運営に支障は出ていない。空港内のセルフチェックインサービスなども正常に稼働している。
今回の事態で、国内の一部オンラインゲームも影響を受けた。
Pearl Abyssが運営する「黒い砂漠」はホームページで「突然の設備異常によりサーバーの不安定現象が発生した」として、使用中のソフトウェアによる世界同時障害と確認され、正常化のための作業を進めたと伝えた。
同社は対応作業が完了したことで、正常にゲームに接続できるとし、ユーザーが受けた不利益に対する補償内容を発表した。
ガンホー・オンライン・エンターテイメントの子会社で「ラグナロクオンライン」や「ラグナロクオリジン」などを運営するグラビティでもこの日午後から公式ホームページをはじめゲームへの接続に障害が発生した。
一方、サムスン電子やSKハイニックスなど半導体関連企業や自動車、バッテリー、鉄鋼、造船、建設などの業界は、同問題による影響を受けていないことを確認した。
業界関係者は「セキュリティー問題で国内企業の大部分は自社のサーバーやクラウドを使用している」と説明した。
別の業界関係者は「基本的にインターネットから独立した内部ネットワークで業務をしており、現在も普段と同じように正常業務中」と話した。
今回、ロンドン証券取引所でシステムに不具合が生じた一方で、韓国取引所では異常は起きなかった。
国内の銀行もまた、独自のデータサーバーを利用し、内部ネットワークを使用しているため影響がなかった。
クーパン、Gマーケット、11番街など国内のネット通販大手でも異常がないことが確認された。これらの企業はマイクロソフトではなく、アマゾンウェブサービス(AWS)を基盤としたシステムで運用される。
大手通信3社も、被害は確認されていないと明らかにした。
情報通信(IT)当局は、同問題による国内情報技術サービスに及ぼす被害を注視し、状況を確認している。
当局の関係者は「速断するのは早いがハッキングによる被害ではないとみられる」と話した。
科学技術情報通信部の資料によると、昨年時点で国内企業が利用するクラウドサービスはAWSが60.2%で最も多く、マイクロソフトは24.0%で2番目に多かった。
公共機関は国家情報院の認証などが必要で、ネイバーなど国内企業のサービスが使われるケースがほとんどであるため、混乱が起きなかったとみられる。
ただ、マイクロソフトの基本ソフト(OS)、ウィンドウズを搭載したパソコンを使用する会社員や学生など個人は被害を受けた。
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