写真はイメージです
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北朝鮮が今月26日に開幕するパリ五輪に出場する。代表選手団が21日、パリの空港に到着した。北朝鮮は新型コロナウイルスの流行などを理由に2021年の東京五輪には参加しておらず、夏季五輪への出場は8年ぶりとなる。大会のシステムに登録された北朝鮮からの出場選手は18日(現地時間)現在、16人で、体操やレスリング、競泳などに出場する。こうした中、韓国では「スマートフォン」と「北朝鮮選手団」に関連して「ある事」に注目が集まっている。

北朝鮮オリンピック委員会は2021年の東京大会に選手団を派遣しなかったことから、国際オリンピック委員会(IOC)から、2022年末まで資格停止処分を受けていた。しかし、処分が解け、北朝鮮は26日に開幕するパリ五輪に出場する。大会に向け、選手団は今月20日、空路でピョンヤン(平壌)を出発した。経由地の中国の空港では胸に北朝鮮の国旗がついた白ジャケットに、青いスカートやパンツ姿の選手たちが報道陣に捉えられたが、記者らの問いかけには無言を貫いた。一行は21日にパリの空港に到着した。共同通信によると、空港では着陸から約3時間足止めされた。一部選手の手続きに時間を要したものとみられるという。共同は「選手団は通常の出口ではないゲートから出て、パスに乗り込んだ。フランスと北朝鮮の親善を望むフランスの団体メンバー数人が歓迎の横断幕を掲げ、選手団はパスの中から手を振って応えた」と伝えた。韓国の聯合ニュースによると、大会のシステムには18日(現地時間)現在、北朝鮮の選手はレスリングに5人、競泳、飛び込み、卓球に各3人、ボクシングに2人、体操、陸上、柔道に各1人が登録されているという。

一方、韓国のサムスン電子は、今大会の出場全選手、約1万7000人に同社のスマホを提供する。選手のために特別製作した「ギャラクシーZフリップ6 オリンピックエディション」で、メダリストにはこのスマホを使って表彰台で「自撮り」をすることも初めて許可される。これまでの五輪では、表彰式に携帯電話を含む個人の所時品を持ち込むことは禁じられていた。しかし、今大会では、サムスンが提供するこのスマホのみ持ち込みが許可される。同社はIOCの最高位協賛社の一つで、2028年まで契約を結んでいる。特別製作されたこのスマホは、パリ五輪・パラリンピックのゴールドのエンブレムとサムスンのロゴがあしらわれている。大会の競技関連情報やパリ市内の観光・生活情報を盛り込んだ「パリ2024」など、選手たちに役立つオリンピック公式アプリも標準搭載されている。同社の公式サービスセンターを通じて2年間の国際保証サービスも提供することにしており、選手たちは自国に帰っても機器を使い続けることができる。

そんな中、北朝鮮の選手団がこのスマホの提供を受けるかに韓国で注目が集まっている。南北関係は今、危機的状況にある。最近では、北朝鮮が韓国に向けて汚物などをぶら下げた風船を飛ばした。韓国軍はその対抗措置として、南北軍事境界線付近で、拡声器による北朝鮮向け宣伝放送に乗り出した。放送では、韓国の民主主義制度が北朝鮮の政治制度よりも優れていることへのアピールや、北朝鮮の体制批判、韓国や海外のニュース、韓国の歌などを流し、北朝鮮兵士らの動揺を狙うことを目的としている。こうした状況下、北朝鮮の選手たちが韓国の物品を所持することになり得るのか注目されている。

そもそも大会組織委員会が北朝鮮選手団には提供しないことも想定される。サムスンの特別仕様スマホは2018年のピョンチャン(平昌)冬季五輪でも選手たちに提供されたが、当時、大会組織委員会は、国連の制裁対象国である北朝鮮とイランの選手団には提供しないと発表。その後、一部方針の修正がなされ、大会期間中のみ貸与し、帰国時に返却を求めることとした。だが、北朝鮮選手団は当時、貸与を受けること自体を拒否した。

今大会での対応について、サムスン側は「最終的に提供するかどうかは、IOCと大会組織委員会が決定するだろう」としている。

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