胆のうポケットのような構造で胆汁を濃縮して保存する役割をする。肝臓で作られた胆汁は消化を担当する液体で胆のうに保存され、食事をすると消化管に分泌され、脂肪と脂溶性ビタミンの消化を助ける。胆のうに発生するがんを胆のうがんといい、発生頻度は低いが、5年生存率が5~10%程度に過ぎず注意が必要である。

◇胆のう結石、あれば胆のうがん発生リスクが最大10倍高い
胆のうがんの発生原因は未だ明らかになっていないが、慢性炎症を起こす胆石が胆のうがんの最も重要な危険因子として知られている。特に3cm以上の大きな胆石、生成時期が古い胆石などが胆のうがんの発生リスクを高めると分析されている。胆のう結石がある人はない人よりも胆のうがんの発生リスクが5~10倍程度高く、胆石有病率の高い国は胆のうがんの発生率が高いという集計が出ている。
また、ポリープも胆のうがんの原因に挙げられるが、胆のうポリープのサイズが1cm以上や、ポリープの大きさが徐々に大きくなる場合、またポリープと共に腹痛症状がある場合や胆石が伴う場合、ポリープが発見された年齢が50歳以上である時に胆のうがんが疑われる。特に70歳前後に胆のうがんが急激に増加することが知られており、より細かく観察する必要がある。

◇初期症状無く診断遅れ
胆のうがんの初期には通常何の症状もなく、発見が遅れることが多い。胆のうがんの最も一般的な症状は、消化不良、上腹部と右肋骨の下の痛みであり、胆石がある場合には、繰り返しかなりの痛みや右に広がる痛みが感じられることもある。進行すると衰弱感と体重減少が伴い、胆のうがんの30~60%では黄だん症状が現れることもある。患者が気付くことは容易ではなく、健康診断の際に腹部超音波検査で初期胆のうがんが偶然に発見される場合が最も一般的である。高麗大学クロ病院肝胆膵外科のキム・ワンジュン教授は「消化不良になると、ほとんどの人がまず胃炎を疑って治療を開始することになるが、長期間の胃炎など治療後も症状の好転がない場合は一度は胆のう疾患を疑ってみることが重要だ」と話した。

◇20~30%だけが手術可能…定期検査で早期に発見すべき

胆のうがんは超音波検査やコンピュータ断層撮影(CT)などを通じて発見できるが、胆のうの大きさが7~10cmと小さく、腹部の奥深い所にあり手術前の組織検査ではがんの有無を判断できないため、映像検査そして様々な所見などを総合して診断することになる。

胆のうがんの治療の基本は手術だが、ほとんど進行した状態で発見されるため、20〜30%程度の患者しかがんを完全に切除することができない。がんの進行度によって手術法が変わるが、腹腔鏡またはロボット手術で施行し、過去に腹部手術を受けた病歴があったり、炎症がひどすぎて安全な手術が必要だと思われるときは開腹手術で進めることもある。胆のう切除術の場合、ロボット手術が患者の痛みの軽減および創傷改善に有益であるという研究結果が発表されるにつれて、ロボット胆のう切除術が徐々に広がってきている。

がんが転移して手術が困難な場合や手術後に残っている可能性があるがん細胞の成長を防ぐために抗がん化学療法を施行することもある。しかし、新薬抗がん剤の開発が遅れ、進行した胆のうがんに効果のある抗がん剤が現状ではなく、大きな効果を期待することは難しい。放射線治療も適用できるが、手術でがんを完全に切除するのが難しい、または切除できないが転移していない場合は、局所再発を防ぐために放射線治療を行う。

キム教授は「胆のうがんは再発率が高く生存率が低く、早期発見が何より重要だ」とし「早期胆のうがんの場合には切除術後5年の長期生存率が90~100%と報告されるだけに、胆のうポリープ、潰瘍性大腸炎などの症状がある場合は、積極的に治療を受け、定期的に腹部超音波検査を受けることを強く勧めた。
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