ソウル市瑞草区の大法院
ソウル市瑞草区の大法院
妻を殺害した後、交通事故で死亡したかのように偽装し、巨額の死亡保険金を得ようとした陸軍副士官が、1審に続いて2審でも長期刑を宣告されているなか、大法院(日本の最高裁判所に相当)がきょう最終結論を下す。

最高裁は31日午前、殺人などの容疑で起訴されたA(48)被告の上告審公判を開く。

A被告は昨年3月8日、妻のBさん(41)の首をしめて意識を失わせた後、車の助手席に乗せ、カンウォンド(江原道)トンヘ(東海)市の道路で故意にコンクリート製の壁にぶつかってBさんを死亡させた疑いを受けている。また、交通事故死を偽装してBさんの死亡保険金約4億7000万ウォン(約5190万円)を得ようとしたが未遂に終わった容疑も加わっている。

捜査の結果、A被告は犯行当時、複数の銀行やカード会社などから計約2億9000万ウォン(約3200万円)の借金を抱えていた。負債を期日までに返済できず、数回にわたって短期融資を受けていた状態だった。

1審はA被告に対し、検察が求刑した懲役30年を超える懲役35年を言い渡した。1審は「被告は捜査の初期段階からこの法廷に至るまで、被害者が自ら死を選んだという納得できない弁解と客観的状況が矛盾する陳述を一貫して行うなど、犯行に対する懺悔(ざんげ)や反省などの感情は見当たらない」とし「犯行の重大性や態度などを総合すると、被告を長期間社会から隔離し、その罪責に相応する厳重な責任を問わざるを得ない」と量刑の理由を説明した。

A被告は控訴審で「1審は国立科学捜査研究院の解剖鑑定書を誤って解釈し、有罪と判断した」として疑惑を否認し、妻が自ら極端な選択をしたと再度主張した。

しかし、2審の判断も1審と同様だった。2審は「被害者を殺害した直接的な証拠はない」としながらも「解剖鑑定書の内容と剖検医の法廷での陳述、一般人の常識では事故後の被告の釈然としない行動が理解できない点などを総合すると、被害者を殺害し隠ぺいするために交通事故を起こした事実を認めることができる」と判旨を説明した。

続けて「妻を殺害し、さらに事件を隠ぺいしようと犯行に至った点は非常に罪が重い」として「2審が判断した量刑は不当だと考えることはできない」と付け加えた。

最高裁はこの事件の争点である殺人罪の成立可否と「保険詐欺防止特別法」に抵触したかどうかについて審議を行い、結審を下す予定だ。
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