知的障害3級のA(男・31)氏とB(女・24)氏は、2018年12月韓国キョンサンナムド(慶尚南道)チャンニョン(昌寧)郡の障害者勤労施設で初めて出会い、恋人関係に発展した。彼らは交際から2ヶ月後の2019年1月ごろ、B氏の父親を訪ね、結婚の承諾を要請した。
しかし父C氏(66)は彼らの結婚に反対した。それから1ヶ月間、結婚の承諾を受けようとC氏を訪ねたが、引き続き反対され、反感を抱いた彼らは問題解決手段としてC氏を殺害する計画を立てる。
2019年4月5日、C氏を殺害する凶器をA氏が選び、B氏がこれを現金で支払った。購入した凶器はB氏宅の近くの農路下水口の下に保管した。
A氏は2週間後、ある病院で偶然にC氏に会った。C氏が他の人に「あの男の精神病の薬を飲んでいる。頭がおかしい」とすると、これまでC氏が自身(A氏)の母親について「障害者だ。目が見えない」と侮辱的な話をしたのが浮かんだA氏は、その夜の犯行を実行することを決意し、これを恋人B氏に知らせる。
同日、父が酒に酔って寝たことを確認したB氏は「お父さんが寝ているからもう少ししたら来てください」とA氏にメッセージを送った後、家の前に着いたA氏が家に入ることができるようにドアのカギを開けておくなど犯行に加担した。
A氏はあらかじめ隠しておいた凶器を数回振り回し、寝ていたC氏を殺害した。
以後、彼らは共謀してC氏を殺害した容疑で裁判に引き渡された。
A氏と弁護人は犯行当時、知的障害による心身微弱状態にあったと主張したが、裁判所はこれを受け入れなかった。
1審裁判部によると、A氏は犯行当日、あらかじめ着替えの服と手袋などを準備したことが把握され、犯行後の恋人B氏に「黙っていろ、殺したことは秘密だ。私が勝手にやる」と調査でも虚偽で述べた。
これにより1審裁判部はA氏に懲役18年を言い渡した。 A氏を手助けし犯行に加担したB氏には懲役15年を言い渡した。
1審裁判部は「この事件はB氏が恋人を手助けし、父を殺害したことで、自身を産んで育ててくれた父の命を奪った犯罪として反社会的で敗北的な行為」とし「ただし犯行を認めて誤りを悔やんでいる点、B氏が主導して事件犯行をしたわけではないという点、直接殺害行為に加担しなかったのは有利」と判断した。
これにA氏とB氏ともに量刑不当で控訴したが、2審裁判部は「刑が重くて不当だと判断されない」と控訴を棄却した。
以後、B氏は懲役15年を受け入れ、A氏は上告したが、最高裁判所も「犯行手法、犯行前後行動などに照らし、A氏が犯行当時心身微弱状態にあったとは見にくい」と上告を棄却した。
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