マンションを丸ごと買い取ってカトリック司祭の住居に使用…裁判所「税金免除の対象」=韓国
マンションを丸ごと買い取ってカトリック司祭の住居に使用…裁判所「税金免除の対象」=韓国
韓国の裁判所が、カトリック教会の特殊司牧司祭の住居に対する税金免除を認める判決を下した。特殊司牧司祭とは、カトリックで通常の教区ではなく、青少年や病院など特定の対象や分野を定めて宣教活動を行う司祭(聖職者)のことをいう。

 11日、韓国の法曹関係者によると、カトリックA教区の維持財団がソウル江南区庁に対して税金課税処分の取り消しを求めて提起した訴訟で、ソウル行政裁判所は最近、原告の主張を支持した。

 A財団は2010年に江南区にあるマンションを司祭のための住居として購入した。このマンションは地下2階、地上12階の規模で、マンションの一部を礼拝室や食堂、厨房などに改装。教区に属する特殊司牧司祭の住居や、退職した司祭、休養中の特殊司牧司祭のための住居としても使用している。

 江南区は2022年7月、該当マンションが課税対象であると見なし、固定資産税を請求した。財団側はこれに不服を申し立て、税務審判院に審判を求めたが、却下されたため訴訟を起こした。該当のマンションは宗教事業活動に不可欠な施設として非課税対象であると主張した。地方税特例制限法第50条第2項は、宗教団体が直接使用する不動産に対しては固定資産税を免除するとしている。

 裁判所はA財団の主張を認めた。特殊司牧司祭が利用する施設も宗教団体の職務遂行に関連があると判断した。裁判所はまず、特殊司牧司祭も一般的な教区司牧司祭と同様に宗教活動を行う集団であると認めた。裁判所は「特殊司牧司祭もカトリックの教えや教義を伝えるための活動を行っており、宗教活動に不可欠な中核的な役割を果たしている」と述べた。

 さらに施設の使用状況を踏まえると、宗教活動に不可欠であると判断した。裁判所は「特殊司牧司祭はマンションの1階に設けられた礼拝堂で毎日ミサを行うなど、宗教生活を営みながら居住している」とし、「単に日常生活を営む場所ではなく、宗教的共同体を形成し、集団で宗教生活を営む場所であると見なすのが妥当である」と述べた。
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