◇広がる「EV恐怖症」 バッテリーの製造元公表へ
仁川・青羅国際都市のマンション地下駐車場で発生したEV火災などにより「EV恐怖症」が広がるなか、国務調整室の関係者は、13日の会議で関係官庁の意見を総合的に聞き、各官庁が準備する対策について不十分な点がないか確認する方針だと説明した。
政府の対策は「EV本体」と「充電器などEV関連インフラ」の二つに分けて発表されると予想される。
最初に議論されるのは「EVバッテリーの製造元の公表」だ。国土交通部はEV購入者への案内事項にバッテリーの製造元を必ず含めるようにする方策を検討しており、現代自動車は9日、先んじて車種別にメーカー名を公表した。
ただ、このような情報は営業秘密に当たり、公表を強制することが法的に可能なのかという疑問が提起されている。また、通商問題に飛び火する恐れもある。
◇バッテリー満充電を制限 過充電防止装置の装着拡大へ
当分の間、EVバッテリーの満充電を制限する方策も議論されている。
ソウル市は来月末までに共同住宅の管理規約のひな型となる「共同住宅管理規約準則」を改正し、地下駐車場にはバッテリー残量が90%以下になるよう充電を制限されたEVのみ出入りできるよう勧告する予定だ。
充電率を一定水準以下に制限する方策は、メーカーのソフトウエアアップデートのみで行うことができ、比較的施行が容易だ。一方、充電率が制限されることで充電1回当たりの走行距離が減るため、消費者の激しい反発が予想される。
EVの充電器については、過充電防止のためにEVと通信できる「電力線通信(PLC)モデム」を装着した機器の拡大が対策の中心となる見通しだ。
現在、急速充電器の多くにPLCモデムが装着されているが、緩速充電器にはほとんどついていない。環境部は今年からPLCモデムを装着した「火災予防型緩速充電器」の普及のために補助金を支給しているが、既に設置済みの緩速充電器については特に方策が存在しない。
火災発生時に消火が難しい地下駐車場には充電器を設置できないようにする案も提起されているが、最近建てられたマンションは地上を車が通れないように作られた物件が多く、現実的に不可能だとする意見が多い。
消防当局は、地下駐車場でのEV火災に効果的に対応するため、スプリンクラーの設置を増やしたり、反応速度を高めたりする方向で検討している。
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