ソウル市は、バスで市内の主要な観光地を循環するソウルシティツアーバスの料金を50%引き上げる。海外の主要都市に比べて低い水準の料金を見直すのが目的で、今後2年間で段階的に引き上げながら負担を最小化する方針だ。

ソウル市によると、ソウルシティツアーバスは現行の大人2万4000ウォン(約2621円)の都心・古宮・ナムサン(南山)コースの料金を3万6000ウォン(約3932円)に改定する。値上げ率は50%だ。子供料金は1万5000ウォン(約1638円)から46.7%上がった2万2000ウォン(約2403円)に改定することを決めている。都心の古宮・南山コースはNソウルタワー、ミョンドン(明洞)、南山コル韓屋村、チャンドックン(昌徳宮)、インサドン(仁寺洞)、チョンワデ(青瓦台)、キョンボックン(景福宮)などを循環するコースだ。各自が好きな停留所で下車し、自由に観光した後、次のバスを利用することができる。

夜のハンガン(漢江)沿いを走る夜景コースは、大人料金2万ウォン(約2184円)、子供料金1万2000ウォン(約1310円)からそれぞれ3万ウォン(約3277円)、1万8000ウォン(約1969円)へと50%ずつ値上げされる。

新型コロナウイルスの感染拡大期以前には運行していたが、現在は運行を中止しているパノラマコースとカンナム(江南)循環コースも今後の再開に備えて料金を調整する。南山、漢江、ヨイド(汝矣島)、江南などを循環しながらソウルの全景が見られるパノラマコースは、都心の古宮・南山コースと同様に大人料金が2万4000ウォンから3万6000ウォンに、子供料金が1万5000ウォンから2万2000ウォンに値上げされる。コエックス(COEX)、江南、カロスキルなどを回る江南循環コースの場合、大人料金は2万ウォンから3万ウォンに50%、子供料金は1万5000ウォンから2万2000ウォンに46.7%値上げされる。

今回の値上げは、新型コロナウイルスのパンデミックにより苦しんでいた2020年以来4年ぶりだ。急激な料金の上昇による負担を最小化するために、10月から2年にわたり段階的に値上げしていく方針だ。

ソウルシティツアーバスは、今回の料金調整を海外の主要都市と比べて著しく低い料金を正常化すると同時に、慢性的な赤字から抜け出すための避けられない選択だと説明している。実際に、ニューヨーク(58ドル/約8659円)、ロンドン(38ドル/約5673円)、シンガポール(48ドル/約7166円)、シドニー(69ドル/約1万301円)などと比べると、ソウルシティツアーバスで最も高い都心古宮ツアーの料金は2分の1から4分の1に過ぎない。

さらに、新型コロナウイルス時代から続いてきた赤字も負担としてのしかかっている。ソウルシティツアーバスの関係者は「新型コロナウイルス時代に外国人観光客が激減した上に、2階部分の屋根がオープンになっているバスを輸入する過程で発生した負債も残っており、赤字が持続している」として「今後外国人観光客が増えることを期待して、料金の値上げを順次行っていく計画」と説明している。ソウルシティツアーバスの主な乗客は外国人で、普段は半分程度、多い時は80%程度の割合を占めるというのが会社側の説明だ。

ソウルシティツアーバスは民間事業者で、ソウル市からの予算は受け取っていない。ただし、許可を受ける過程でソウル市から料金についての承認を受けることになっているが、ソウル市側もやはり今回の料金改定の趣旨に同意している。

ソウル市の関係者は「これまで数年間にわたり料金の引き上げがなされなかった上に、海外の主要都市に比べて料金がかなり低かったため、外国人観光客を中心とした収入アップを見込んで料金の値上げを決めた」として「料金を現実に沿った水準にするということ」と述べた。

一方で、ソウルシティツアーバスに似た「黄色い風船シティバス」も料金を引き上げる。 伝統文化コースと漢江・チャムシル(蚕室)コースともに大人料金が2万ウォンから3万ウォン、子供料金が1万5000ウォンから2万2500ウォンへとそれぞれ50%値上げされる。
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