<W解説>8強進出、京都国際の甲子園での活躍に韓国メディアも注目=「響いた韓国語校歌」
<W解説>8強進出、京都国際の甲子園での活躍に韓国メディアも注目=「響いた韓国語校歌」
第106回全国高校野球選手権大会は本日19日、準々決勝が行われている。韓国メディアは、本日、第3試合に登場する京都国際に注目している。同校の校歌は韓国語。17日に行われた3回戦第2試合で西日本短大附属(福岡)に4-0で勝利し、8強進出を決めた選手たちは校歌を高らかに斉唱した。韓国メディアは、同校の8強進出に「甲子園に響いた韓国語校歌、京都国際高3年ぶりに8強進出」(ハンギョレ)、「『偉大な祖先…』韓国系の京都国際高、日本の高校野球大会で8強決め歌った歌」(毎日経済)の見出しで報じた。

京都国際は京都市東山区にある中高一貫校。発祥は1947年に開校した在日朝鮮人向けの民族学校である京都朝鮮中学だ。その後1958年に学校法人「京都韓国学園」として京都府知事の認可を受けた。2003年に学校法人「京都国際学園」と「京都国際中学高等学校」を設置し、府知事認可により「一条校(学校教育法が定める中学、高校)」に。翌2004年に現在の京都国際中学・高校が開校した。英語や韓国語の多言語教育を実践するなど、「『世界』で活躍する人材育成」を教育目標に掲げている。

同校の硬式野球部の創部は1999年。近年は日本人選手が多い。プロ野球選手も多数輩出している。甲子園には2021年のセンバツに初出場・初勝利した。今大会を含め春夏通算5回出場している。最高成績はベスト4。

今夏は、京都大会決勝で京都外大西に14-3で勝利して77校73チームの頂点に立ち、2年ぶり3回目の夏の甲子園出場を決めた。甲子園では、中崎琉生投手(3年)、西村一毅投手(2年)の両左腕がここまで好投を続けている。初戦の札幌日大戦で中崎投手が完投すると、2回戦の新潟産業大附属戦では西村投手が被安打3で完封勝ちした。そして3回戦では中崎投手が強打の西日本短大附属から14三振を奪う完封勝ちを果たした。試合後、中崎投手は「マウンドを楽しむことができた」と振り返った。京都国際は2回に2点を先制。5回には1死一塁から4番藤本陽毅内野手(3年)の適時二塁打で3点目を奪った。9回に1点を追加し、4-0で勝利。3年ぶりにベスト8進出を決めた。

試合後、甲子園球場には同校の韓国語の校歌が流れた。2021年に同校が選抜高校野球大会に出場した際は、甲子園で初めて韓国語の校歌が流れ話題となった。「トンヘ(東海)を渡りし大和の地は…」との歌詞をめぐっては、日本海の韓国での呼称「東海」の部分が議論を呼び、今大会でも、この点を批判する声がある。

「東海」は日本海の呼称として韓国が主張している名称で、日韓の間で呼称問題が起きているセンシティブなワードだ。この呼称問題が起こったのは、1992年に開かれた「第6回国連地名標準化会議」での韓国側の主張がきっかけだ。この会議で韓国側は「日本海の呼称が普及したのは日本の拡張主義や植民地支配の結果である」などと主張。「日本海(Japan Sea)」の呼称に「東海(East Sea)」を併記するよう国際的に求めている。

一方、日本側は「Japan Sea」の呼称について、「日本が鎖国状態にあった19世紀前半から既に国際的に認知され定着してきた」とし、「韓国及び北朝鮮を除く世界の主要各国の地図の97%以上が『日本海』という呼称のみを使用しており、広く国際的に定着している」と説明。「日本海が国際的に確立した唯一の呼称」とする根拠を示している。

また、日本の外務省は従来から「国際社会が現に使用してきている日本海の名称に替えて、韓国国内の名称にすぎない『東海』を国際的な標準名称にしようとする動きは、国際的な海上交通の安全面にも影響を及ぼしかねない混乱を生じさせるため、認めることはできない」との立場を示している。一方、韓国が自国内で東海の名称を用いることについては「関知する立場ではない」としている。

甲子園を中継しているNHKは、京都国際の韓国語の校歌を放送する際、歌詞に含まれる「東海」を「東の海」と表記した。NHKは同校が2021年の選抜大会で甲子園に初出場した当時から同校校歌に関して同様の対応を取っている。また、この対応は歌詞とともに表示された「日本語訳は学校から提出されたものです」とのテロップから、同校の意向に基づくものであることがうかがわれ、産経新聞は「(同校が)高校野球を韓国側の政治的主張と切り離しているようだ」と解説した。

一方、韓国メディアは甲子園での同校の活躍ぶりを報道。韓国語の校歌が甲子園球場に流れたことを併せて伝えている。

京都国際は本日の第3試合で奈良の智弁学園と対戦する。両チームは2021年の準決勝で対戦しており、智弁学園が勝利している。

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