「ブルダック炒め麺」の世界的なヒットにより今年に入ってサムヤン(三養)食品の株価が急騰したが、このところ上昇傾向が停滞し、個人投資家の買いが集中している。短期間で急騰した銘柄というリスクにも関わらず、好実績が続いており、来年のミリャン(密陽)第2工場の完工がさらなる上昇のチャンスになりうるとの期待からだ。

韓国取引所によると、今月に入って個人投資家らは三養食品株を251億ウォン(約27億4000万円)買い越した。韓国株の全銘柄の中で31番目に多い規模の買い越し額だ。

同じ期間に外国人投資家らは三養食品株を110億ウォン(約12億円)買い越し、機関投資家らは373億ウォン(約40億円)を売り渡した。

年明けには20万ウォン(約2万1800円)台にとどまっていた三養食品の株価は、ブルダック炒め麺の爆発的な人気に支えられ、6月に最高70万ウォン(約7万6300円)台にまで急騰した。株価が急上昇し、小口株主も急増した。三養食品の事業報告書によると、昨年末に1万8039人だった小口株主は6月末に3万5356人と2倍近く増加した。

株価が短期間で急騰した状況に加えて国内外の証券市場のボラティリティが高まり、三養食品の株価は今月に入って14.9%下落したが、個人投資家はこのような下落傾向を買いのチャンスと捉えて買いを入れているものとみられる。

三養食品は第2四半期にも過去最高の実績を記録した。第2四半期の連結基準売上高は前年同期比48.7%増の4244億ウォン(約462億円)、営業利益は103.%増の894億ウォン(約97億6000万円)で、売上高と営業利益ともに四半期ベースで最高を記録した。特に、海外での売上が占める割合は78%にまで拡大した。LS証券によると、三養食品の7月の輸出は前月比4.9%増と増加傾向が続いており、インスタントラーメンの輸出額全体に占める割合は63%にまで拡大しているものと推定されている。

シンハン(新韓)投資証券のチョ・サンフン研究員は「構造的な内需消費の鈍化と人口構造の変化により韓国国内の飲・食料品市場の量的限界が明確になっている状況で、三養食品は模範的な事例だ」と評価している。

米国を中心に景気鈍化の懸念が出ているが、コアなファンを確保した消費財に関しては影響は少なくなるとみられている。NH投資証券のキム・ヨンファン研究員は「韓国の消費財の輸出品目の中で特に注目度が高いインスタントラーメンは、消費者としては金額が高い品目ではない」と述べ「すでに人気を確保している製品は今後も堅調な売上の推移を見せる可能性が高いとみられる」と述べた。

特に、来年の密陽第2工場の完成は三養食品の株価のさらなる上昇圧力になるとみられている。LS証券のオ・ジウ研究員は「現在、ブルダックシリーズは供給が需要に追いつかないほど世界的な需要が高まっており、来年からの生産能力増が実績アップにつながる見通し」と述べ、「短期的な株価調整はチャンス」との見解を示した。
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