韓国政府と韓国水力原子力が24兆ウォン(約2兆6000億円)規模のチェコ原発2基の新設プロジェクトの本契約交渉を進めている中、韓国製の原発に関する知的財産権の保有を主張する米ウェスティングハウス社との交渉に支障が生じ、マイナスの影響が及ぶことが懸念されている。韓国政府は「これについて米政府と協議中」とし、「チェコへの原発輸出に支障が出ることがないよう解決していく」と明らかにした。

産業通商資源部は24日、韓国製の原発のチェコへの輸出が米ウェスティングハウス社との訴訟問題により難航している件に対して報道説明資料を出し、「韓国政府は両国の原発企業間の紛争の円満な解消を支援するために、さまざまなチャンネルを通じて米国政府と議論を進めている」と明らかにした。

韓国水力原子力と韓国製原発の知的財産権を主張する米ウェスティングハウス社との交渉が難航しているとの韓国政府の高位関係者発のニュースが、国内で報道された後に出た説明だ。韓国は原発を輸出するためには、初期に基礎的技術を提供したウェスティングハウス社がこれに同意し、また米エネルギー省に申告しなければならないが、ウェスティングハウス社が同意の条件として設備の供給などを要求し、同意することを拒否しているという。

韓国水力原子力をはじめとする韓国チームは先月、チェコ原発2基の新設プロジェクトの優先交渉対象者に選定され、来年3月の本契約に向けた交渉を進めている。優先交渉対象者に選定されているため、大きな状況の変化がなければ本契約を締結するのが普通だ。しかし、米国の事実上の反対のもとで事業を進めることは、韓国とチェコ両国にとって少なからぬリスクになる。韓国水力原子力は韓国製原発の開発初期にはウェスティングハウス社の技術を使ったのは事実だが、以降は独自の技術を開発したと主張しているが、米国の国際的地位を考慮すれば、このような主張が国際社会で通用するかどうかは未知数だ。

韓国政府は、本契約が締結される来年3月までは時間が残っており、米韓関係を考慮すれば両国の企業間の円満な交渉がなされるとみている。アン・ドククン産業部長官は今月の7日から8日(現地時間)に米国を訪れ、ジェニファー・グランホルム米エネルギー省長官と会談を行い、両国のエネルギー協力の強化について話し合った。アン長官はこの日、両国の協力体制が世界のクリーンエネルギー市場を主導するための踏み台になることを願うとの意をグランホルム長官に伝えた。

韓国政府の関係者は「米韓両国の政府は原発を含めた再生エネルギーや水素など、エネルギー全般にわたって協力の必要性が大きいという点で共感している」と述べ、「強固な米韓同盟の下で、チェコへの原発輸出に支障が出ないよう協議を行う」と明らかにした。
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