このような現象はムン・ジェイン(文在寅)政権時代を彷彿(ほうふつ)とさせる。2019年頃、住宅価格が上がるり始めると2030世代が借金をして家を買い始め、翌年に新型コロナウイルスの感染拡大により超低金利時代が開かれると、熱風のようにブームが広がった。これは、若い世代を借金に溺れさせ、住宅価格の暴騰を引き起こし、国民経済に莫大な負担を与えた。その後、世界中で高金利時代が到来すると、ヨンクル族は高い利息に苦しみ、住宅価格は下落し、住宅を処分しても借金に耐えられない事態が続出した。最近のヨンクル族の戻りは、家計負債の急増と住宅価格の暴騰を招いた文政権時代の「ヨンクルブーム」が再現されるのではないかとの懸念を生むのに十分だ。
このことは、不動産の融資規制を緩和したことがきっかけとなった。ユン・ソギョル(尹錫悦)政権は発足初年度の2022年に担保認定比率を40%から70%(生涯初の住宅購入時は80%)へと大幅に引き上げた。担保認定比率とは、住宅価格に対する貸出可能金額の比率だ。尹政権は規制緩和を公約に掲げており、当時は不動産低迷期であったため、問題にはならなかった。しかし、今年に入って不動産価格が上昇局面に入り、住宅担保融資が爆発的に増えた。金融当局によると、5大都市銀行の住宅ローンは7月の1ヵ月だけで7兆6000億ウォン(約8240億円)増加し、文政権時代を凌駕(りょうが)している。
文政権時代にピークに達したヨンクル旋風が尹政権でも再現される兆しを見せ、住宅担保融資の急増と住宅価格の上昇の悪循環をもたらす危険性が増している。住宅担保融資が急増し、すでにソウルのマンション価格は22週連続で上昇している。住宅価格の上昇を防ぐためには、民間の資金が不動産市場に流入することを抑制しなければならない。このため、担保認定比率の規制を強化し、不動産融資の敷居を再び高めるべきだ。
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