【合同インタビュー】チェ・ジウ、映画『ニューノーマル』で新境地開拓「果たしてうまくできるのか、心配や不安もあった」
【合同インタビュー】チェ・ジウ、映画『ニューノーマル』で新境地開拓「果たしてうまくできるのか、心配や不安もあった」
型破りで予測不可能な体験型スリラー『ニューノーマル』の日本公開に合わせて来日したチェ・ジウがインタビューに応じ、本作で新境地に挑んだ理由や撮影の舞台裏などについて語ってくれた。

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2016年の映画『ハッピーログイン』以来、7年ぶりに映画に復帰した作品は、日常に潜む恐怖と絶望を描いたスリラー映画『ニューノーマル』。しかも、優雅に微笑む「ジウ姫」とはガラリとイメージが異なる役柄で新境地に挑戦した作品だ。

この作品に入るまでの心境について、彼女は「映画の撮影に入る前までは、『果たして私は上手くできるのだろうか? この役をどんな風に表現したらいいのか?』という心配や不安がありました。なので、監督とたくさんお話ししました」と明かし、「現場に入ってからは現場の雰囲気というものがあるのですが、今回は狭い空間の中で私と相手役の2人で演じることが多かったので、自然とリアルな雰囲気が出て心地よい緊張感が現場に生まれたので、その緊張感が上手く活きたと思います。撮影が終わってからは、今回は新しい試みをしたのですが、よくできたなと思いました。映画を観る皆さんがどんなふうに受け入れてくださるのか、とても気になっていますし、ワクワクしています。新しい私の姿にいい反応があれば良いなと思っています」と、優しくほほ笑んだ。

インタビューが始まるまでの空間は緊張感が漂っていたが、チェ・ジウのおっとりしたしゃべり方とにこやかな笑顔で、その空間は和やかなムードに。だれもを笑顔にさせる魅力を持つ彼女に今回の役柄のオファーがあったとき、どう思ったのだろうか。

「初めてシナリオをもらって読んだとき、本当に面白いと思いました。スリラーものだと聞いていたので、ドキッとさせられるような怖い作品なのかなと思いきや、それがすべてではなくて、ユニークなところとかウィットに富んだところがありました。なので、各自のキャラクターをどんな俳優が演じるのだろうかという期待もありました。でも、まさか私が演じるとは思いもしませんでした。シナリオは楽しく読みましたが、過去に演じた私の役柄とはまったく違うものだったので、監督に『やっぱり私はできないと思います。ちょっと自信がないです』と伝えたんです。でも、監督からは是非やって欲しいとおっしゃってくれましたし、シナリオを書いている時から私を念頭において書いてくださっていて、監督としては私の新しい姿を見せたいという気持ちでいらっしゃったようなんです。私も新しい姿を見せたいという気持ちもありましたし。これまでに監督は、『1942奇談』や『コンジアム』といったホラー映画でたくさん愛された作品を撮っているので、監督を信じて私が挑戦しなければならないという思いになりました。」

劇中、チェ・ジウが演じたヒョンジョンというキャラクターの背景はまったく出てこない。監督からもキャラクターに関する詳しい説明がなかったという。彼女は「監督が私に『M』というフリッツ・ラング監督の古典映画を勧めてくれました。この映画を観ればインスピレーションも得られるし、理解できるようになるとおっしゃってくださったので観てみたのですが、監督はこういう考えでこういうのを撮ろうとしているんだなということが少し理解できました。劇中にはヒョンジョンの過去がどうだったとかという過程は描かれていないので、ヒョンジョンは子供の頃はどうだっただろうか、こんな事件があったかもしれないし、なかったかもしれない…など、いろんな過程を経て、今に至っているんだということを監督とも話し合いながら、想像を加えながら作っていきました」と、役を作っていったそうだ。

映画は6人の主人公のオムニバス形式でありながら、繋がりのある作品になっている。撮影時には、それぞれの撮影現場を見せないようにしていたため、出演者同士の台本の読み合わせもなかったそうだ。

「この映画における一番大きなポイントになる言葉が孤立という言葉です。もちろん私はこの役柄はこの俳優さんがキャスティングされたということは知っていたのですが、このキャラクターとこのキャラクターがどんなふうに繋がるのか、そういった状況の説明はありませんでした。なので、編集されたものを見て、『あ、これはこんな風に繋がっていたんだ。次はこんな風になるんだ』ということを知りました。そういう状況の中で撮影していたので、俳優さんたちも自然とその流れに身を任せて上手く繋げていけたと思いますし、完成された作品を見た時もとても面白かったです」。

映画のイントロには実際に韓国で起きた事件を編集したものが公開され、韓国での公開時に「恐怖が日常になってしまった時代」というキャッチコピーが付いてしまうくらい、実際にも恐ろしい事件が起きるようになっている。

チェ・ジウにとって変わってしまった日常について聞いてみると、彼女は「私たちが考えもしなかった事がいろいろ起こっていますよね。例えば、新型コロナウイルス感染症の拡大は、約3年続いていますが、21世紀に生きる中で、おそらく想像もできなかったことですよね。想像すらできなかったことが本当に起きているので、最近はニュースを見るのも怖いですよね。日常が恐怖になっているようなニュースを見ると、その事件を経験しているような気持ちにもなりますよね。例えば、インターネット上で『きょう、ここに行って〇〇を殺す』というような殺害予告をしたり、あとは道を歩いていて面識のない人から刺されてしまったりとか、銃で撃たれたりとか、そういった事件も起きているので、以前には起きなかったような、ぞくっとするようなことが起きてしまっていて、誰にとっても起きて欲しくないことが起きている時代になってしまったことだと思います」と眉をひそめる。

そんな中でも幸せな瞬間について、彼女は「誰にとっても起きてはならない事件が起きているので非常に怖いと思います。それにも関わらず、私たちはこの世界を生きていかなければいけませんので、できる限り一瞬一瞬の幸せを感じるように努力をしています。例えば子供が成長をするのを見るのも一つの大きな幸せですし、このように映画の公開を待っているのもワクワクするような気持ちです」と、いつもの優しい笑顔で答えてくれた。

インタビュー中は、通訳がいるものの、日本語をある程度理解していたチェ・ジウ。映画のプロローグで一人ご飯をしていることにちなみ、一人ご飯に関する質問をすると、「一人ご飯が好きかどうかっていう質問ですか(笑)」と質問を当てることも。

「家にいる時は、仕方なく一人で食べることもたまにあります。一人で家にいることは好きなのですが、ご飯を一人で食べることを好むタイプではありません。できれば家族と一緒に家でご飯を食べたいですし、仕事をする場合にはスタッフの皆さんと一緒にご飯を食べるのが好きなので、一人ご飯は好きではありません(笑)」

また、ホラー映画について聞いてみると、「本当に怖くて嫌いです」と身震いさせながら、「怖いっていうところまでは見られるのですが、何もない状態で急にパッと何かが出てきたりすると、怖くて心臓が破裂しそうになります(笑)。なので、監督の『コンジアム』も観たのですが、実は怖くて最後まで見られなかったんです。だから、監督に『「1942奇談」は観たんですけど、「コンジアム」はどうしても怖くて最後まで見られませんでした』と話しました。普段は、いろんなジャンルの映画やドラマを観ていて、日本のアニメも好きです。ヒーローものやラブストーリー、コメディも好きで子供たちが見るような可愛いアニメも好きです」と、ホラー以外のいろんなジャンルを好むとのこと。

韓国ではバラエティやドラマ、CMなどを通して空白期なく活動しているが、日本での映画PRとしては18年ぶりの来日だった。彼女は「日本では映画を通してこうしてごあいさつするのは久しぶりです。日本の皆さんにとっては久しぶりに演技をするというような感覚だったので、皆さん驚かれていたようです。先日、『ブラックペアン シーズン2』で日本に来たのですが、今でも私のことを覚えていてくださって、温かく迎えてくださって本当に感動しました」と振り返り、舞台挨拶に行く前に行われたインタビューだったため、「日本のファンの皆さんに会えることが楽しみです」とにっこりとほほ笑んだ。



『ニューノーマル』 全国公開中
STORY
ソウルでは、女性ばかりを狙う連続殺人事件が多発し、世間を賑わせていた。ある日、マンションで一人暮らしをしているヒョンジョン(チェ・ジウ)の元に火災報知器の点検をしに来たという中年の男性が訪ねてくる。図々しく家の中に入ってくる怪しげな男性に不安を覚えるヒョンジョン。一方、デートアプリでマッチングした相手と待ち合わせをしているヒョンス(イ・ユミ)。しかし、そこに現れたのは思いも寄らない人物だった。交差する2つの出来事が予想だにしない結末を巻き起こす…。
監督・脚本:チョン・ボムシク『コンジアム』
出演:チェ・ジウ「冬のソナタ」、イ・ユミ「イカゲーム」、チェ・ミンホ(SHINee)「ザ・ファビュラス」、
ピョ・ジフン(Block B)「ホテル・デルーナ」、ハ・ダイン、チョン・ドンウォン
提供:AMGエンタテインメント ストリームメディアコーポレーション/配給:AMGエンタテインメント
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チェ・ジウからファンに心温まるメッセージ
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日本語も上手なジウ姫
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