「アリセル火災」による23人の死亡事故で、会社代表が重大災害企業処罰法に基づき拘束…韓国における初の事例
「アリセル火災」による23人の死亡事故で、会社代表が重大災害企業処罰法に基づき拘束…韓国における初の事例
一次電池メーカー「アリセル」の工場で発生した火災により、23人が死亡した事故と関連し、同社の代表パク・スングァン氏が28日に拘束された。これは重大災害処罰法施行後、企業代表が拘束された初のケースとなる。

 水原地方裁判所のソン・チョル令状専門部長判事は、同日午後、重大災害処罰法違反などの疑いを受けているパク代表に対し、「重大な疑いがある」として拘束令状を発行した。さらに、パク代表の息子で総括本部長を務めるパク・ジュンウォン氏に対しても、同じ理由で令状が発行された。アリセルのパク代表には、重大災害処罰などに関する法律違反と派遣法違反の疑いが、パク本部長には産業安全衛生法違反と業務上過失致死傷の疑いがかけられている。

 一方、同じく拘束令状が請求された人材供給企業「ハンシンダイア」の経営者チョン某氏と、アリセルの安全管理チーム長パク某氏など2人に対しては「証拠隠滅および逃亡の恐れがない」と判断され、却下された。

 水原地方裁判所は同日午前10時に、この4人に対する拘束前の被疑者尋問(令状実質審査)を実施した。

 雇用労働省は、この事件の捜査を進める中で、23日にパク代表とパク総括本部長、チョン氏に対し産業安全法と派遣法違反の疑いで事前拘束令状を申請した。特に、パク代表には、重大災害処罰法違反の疑いが加えられた。また、警察も業務上過失致死傷などの疑いでパク総括本部長とアリセル安全管理チーム長のパク氏に対して、事前拘束令状を申請した。

 検察は、雇用労働省と警察の令状申請を検討した上で、「犯罪の疑いと拘束理由が認められる」と判断し、裁判所に拘束令状を請求した。

 アリセル工場で発生した火災は、6月24日午前10時30分ごろ、京畿道華城市に位置する同社の工場3棟の2階で発生。労働者23人の死亡と8人の負傷を伴う大規模な事故となった。

 雇用労働省と警察の捜査によると、アリセルは納期遵守のために未熟練労働者を製造工程に不適切に配置し、その結果、不良電池が爆発し火災を引き起こしたとされている。さらに、納品期限の遵守を理由に、1日の平均生産量を2倍に増加させるなど、作業量を過度に増加させた事実も明らかになった。

 調査では、非常口の扉が避難方向と反対に開く設置されていたり、常時開放されるべき扉にセキュリティ装置が設置されていたりと、避難経路の確保に関する不備も判明した。

 また、労働者の採用や作業内容の変更時に必要な事故対応手順の教育が行われていなかったことも確認された。
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