◇中学歴史7種・高校韓国史9種が合格 来年から使用へ
来年は小学3~4年生、中学1年生、高校1年生に新教育課程が適用され、教科書が変わる。
なかでも関心が集まっているのは、検定に合格した中学の「歴史」教科書7種と高校の「韓国史」教科書9種だ。
かつての朴槿恵(パク・クネ)政権は歴史教科書の国定化を推進し、検定制度へと転換した文在寅(ムン・ジェイン)政権では教科書の執筆基準が「左寄り」だとして議論を呼んだが、保守政権である尹錫悦(ユン・ソクヨル)政権では「右寄り」との批判を受ける可能性があるためだ。
◇「民主主義」は「自由民主主義」に 慰安婦は「むごたらしい人生」とのみ説明
このうち、今回初めて検定で合格した韓国学力評価院の教科書は、保守的な観点から現代史を記述したと評価される。
この教科書は「李承晩大統領は自由民主主義に基づいた大韓民国政府の樹立を国内外に宣布した」とするなど、これまで革新派の学界が主に使用してきた「民主主義」の代わりに「自由民主主義」という表現を用いた。
また、1948年に国連総会で承認された韓国関連の決議について記述し、「コリア(韓国)で唯一の合法的政府」と言及した韓国史の単行本を引用した。
文在寅政権時代には検定教科書の執筆基準から「大韓民国政府は朝鮮半島唯一の合法政府」という内容が外されたことで論争が起きたが、教育部は当時「国家記録院の資料通りなら、(大韓民国は)『国連による選挙監視が可能な地域』で樹立された唯一の合法政府」と主張した。
一方、この教科書は旧日本軍の慰安婦問題を主に参考資料と練習問題の形で扱った。「日本軍慰安婦問題を忘れることなく記憶しなければならない理由を話してみよう」とする練習問題を掲載し、慰安婦関連の単行本から文章や写真、絵などを引用した。
本文には性的搾取に関する直接的な表現はなく、「若い女性たちを連れていき、むごたらしい人生を送らせた」という一文のみで遠回しに表現した。
◇「大韓民国樹立」は「大韓民国政府樹立」に
この教科書は、1987年の民主化運動「6月民主抗争」以降の政権の特徴や業績を説明し、李明博(イ・ミョンバク)政権や朴槿恵政権よりも金大中(キム・デジュン)政権時代の南北首脳会談や民主化運動記念事業会の発足、盧武鉉(ノ・ムヒョン)政権時代の南北首脳宣言(10・4宣言)などにより多くの紙面を割いた。
1948年8月15日については、保守派の学者が用いる「大韓民国樹立」ではなく「大韓民国政府樹立」と表現した。
新しい教科書は来月2日から一部の学校で展示され、25学年度から各校で使用される。
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