韓国の南北統一政策に関する大統領諮問機関、民主平和統一諮問会議の太永浩(テ・ヨンホ)事務処長(次官級)は聯合ニュースの取材に対し、「先月末、ジュネーブ側の消息筋から北が平壌科学技術大の教授陣に入国ビザ(査証)を発給したという話を聞いた」と明らかにした。
ビザが発給された人数は分かっていない。
平壌科学技術大は理工系に特化した国際私立大で、2010年に韓国の民間団体と北朝鮮教育省が開校した。教授陣は韓国系米国人など主に米国・欧州国籍を持つ人物で構成され、授業は全て英語で行われる。
2020年に新型コロナのパンデミックにより北朝鮮が国境を封鎖したことを受け、平壌科学技術大の教授陣も他の外国人とともに北朝鮮を離れた。これ以降はオンライン授業となり、十分な教育が行われなかった。
教授陣が今年3月の開講を前に北朝鮮当局に申請したビザは発給されなかったが、先月末に一部が入国許可を受けたとされる。
太氏は「北の当局がビザを発給したということは、外国人教授陣の安全を保障するという意味」とし、北朝鮮滞在に問題はないだろうと説明した。
政府筋によると、ビザの発給を受けた教授陣は既に平壌に到着したという。
北朝鮮が昨年後半に国境を一部開放してから、西側諸国の国籍を持つ外国人に長期滞在ビザを発給したのは事実上初めて。西側諸国の公館や国際機関のスタッフは現在も北朝鮮に復帰できていない。
今年2月末に英国、ドイツなど北朝鮮に公館を置く欧州諸国の代表団が訪朝したが、これは公館の再開に必要な「技術的点検」のための一時的な訪問だった。
北朝鮮はこのところ、社会主義国以外に対しても少しずつ門戸を開く動きをみせている。
先月27日には在日本朝鮮人総連合会(朝鮮総連)系列の朝鮮大学校の学生が団体で訪朝した。
韓国政府によると、正確な時期は不明だが在北朝鮮スウェーデン大使館の運営再開も決まった。
崔善姫(チェ・ソンヒ)外相が9月下旬に米国で開かれる国連総会への出席を調整しているという日本メディアの報道も出ている。
政府筋は「北が西側諸国に向けて少しずつ接点を持とうとする動きが見える」として「11月の米大統領選後に交渉の局面が展開される際に備えた動きの可能性があり、注視している」と述べた。
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