A室長がビットコインのマイニングのために使用したGPU内蔵サーバー2台(写真=国家科学技術研究会監査委員会)
A室長がビットコインのマイニングのために使用したGPU内蔵サーバー2台(写真=国家科学技術研究会監査委員会)
会社の予算で購入したグラフィック処理装置(GPU)を利用してビットコインをマイニング(採掘)した韓国食品研究院の職員が監査によって摘発され、解任処分された。この職員は会社から業務上背任や窃盗などの疑いでも告発され、警察に不拘束立件されたという。

国家科学技術研究会(NST)の監査委員会が先月26日にホームページで公開した「2024年韓国食品研究院特定監査報告書」によると、韓国食品研究院のA室長はGPU12個を使用してビットコインの採掘用サーバーを構築し、職員がほとんど出入りしない倉庫に設置し、ビットコインをマイニングしていた。

A室長は研究院の予算でエアコン、電気工事、人感センサーを設置するなど広報館内の倉庫を私的用途に使用していたことが明らかになった。また、A室長はこの事実が発覚しないように倉庫の入口に設置されたドアロックのパスワードを変更したりもしていた。

監査委員会はA室長が広報管内の倉庫にエアコンを設置したことについては「ビットコインのマイニング用GPUサーバーは相当な量の電力を消費すると同時に高熱を発する」として「恒温の維持と安定的な電力供給が必要だったためだったと判断される」と説明している。

調査の結果、A室長はビットコインのマイニングと電子ウォレットの管理に必要なネットワークをつなぐために研究院の外部で使う目的で購入したLTEルーターで無断でインターネットに接続し、食品研の情報保護システムを迂回する方式でビットコインをマイニングしていた。

また、A室長は外部からサーバーに接続するために当時の食品研の職員で現在は大学教授に転職したB氏を通じて迂回プログラムを構築し、不正な方法で出退勤の記録をしたりもしていた。これを通じてB氏はバックドアプログラムを使用し昨年の退社以降、食品研の重要研究資料を外部に流出していたことが明らかになった。

B氏は所属職員のIDでGPUを購入し、情報資産の実態調査中にマイニング用サーバー2台が発見されて差し押さえられると、以前に申請したGPU購買申込書を偽造・変造し、差し押さえられたビットコインのマイニング用GPUサーバーの回収を試みたりもした。

5月30日から31日まで予備監査、6月4日から28日まで実地監査を行った監査委員会は、A室長が研究院に786万2990ウォン(約86万2000円)相当の損害を被らせ、これを回収してA室長を懲戒処分することを明らかにした。

監査委員会はB氏が流出させた証拠を隠滅する恐れがあると判断し、6月14日にB氏をチョルラブクト(全羅北道)警察サイバー捜査隊に告発した。また、A室長を情報通信網法違反などの疑いで警察に告発した。さらに情報システムの管理責任者と管理者などに対しても懲戒措置を取っており、食品研にはサーバー運営を見直すことを要求した。

A室長は業務上背任、窃盗、情報通信網の利用促進及び情報保護などに関する法律違反などの容疑で、警察に在宅起訴された。
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