昨年末に脱北者宅を訪問して話を聞くキム・ヨンホ統一部長官(写真=統一部)
昨年末に脱北者宅を訪問して話を聞くキム・ヨンホ統一部長官(写真=統一部)
韓国統一部は11日、北朝鮮から脱北した住民の長期的な自立をサポートする「自立支援課」を新設した。北朝鮮からの脱北者に対する実質的な支援業務を強化し、経済的・社会的独立を支援することが目的だ。

統一部はこの日、チョン・ウンジョン副理事官を自立支援課長に任命した。チョン課長はユン・ミンホ統一部定着安全政策官とともに北朝鮮の実状を知らせる部署で勤務した経験を持ち、これまで国家安保室統一秘書官室と運営支援課長、企画調整室革新行政担当官などを歴任している。

自立支援課は、ユン・ソギョル(尹錫悦)大統領が7月14日に「第1回北朝鮮離脱住民の日」の記念演説で脱北者への支援を強調して以降、統一部がこれに対して進めてきた措置の一環だ。

これまで北朝鮮からの脱北者に関する業務は定着支援課で行われてきたが、今回の組織再編により、脱北者に関する業務は定着支援課、自立支援課、安全支援課に分けられる。さらに詳細には、脱北女性の保護および仕事・家庭両立のサポート、第3国および韓国国内で出生した子女の教育および養育のサポート、北朝鮮から脱北した住民の起業に対するサポート、農業・漁業への就職サポート、零細業者に対する支援、北朝鮮からの脱北者を採用する模範的な企業や事業主に対する優先購買制度の施行および販路支援などを行う。

現在、韓国国内に在住する脱北者は約2万7000人だ。うち昨年の基礎生活受給者の割合は29%で、一般の割合(4.8%)よりもはるかに高い。この割合は2012年に48%に達して以来年々減少しているが、依然として多くの脱北者らが韓国国内で仕事を見つけられずにいる。また、ネズミ講などの各種の詐欺や債務により、多くの脱北者が困難に直面している。

統一部は、脱北者が韓国社会にうまく定着することができるような仕組みづくりを行う計画だ。このために、来年度の脱北者に対する初期定着金を1000万ウォン(約106万円)から1500万ウォン(約159万円)に引き上げた。経済的弱者への医療支援3億ウォン(約3190万円)の追加編成と、危機的状況に直面した脱北者の安定化のための支援にも2000万ウォン(約212万円)の予算を編成した。その他、韓国語教育プログラムの支援1億ウォン(約1060万円)、教育機関の環境改善に3億7000万ウォン(約3930万円)の予算を編成した。
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