「新林洞通り魔殺人事件」チョ・ソン被告に無期懲役が確定＝韓国

ソウル・クァンアク（冠岳）区のシンリム（新林）駅付近で凶器を振り回し4人の死傷者を出した容疑で裁判にかけられたチョ・ソン被告（34）に対し最高裁判所が無期懲役を確定した。

韓国最高裁判所は12日、殺人、殺人未遂、窃盗、詐欺、侮辱などの容疑で起訴されたチョ被告に対する上告審宣告期日を開き、無期懲役を宣告した原審をそのまま維持した。

チョ被告は昨年7月21日午後、新林駅付近の路地で包丁を数回にわたって振り回し、20代の男性1人を殺害し30代の男性3人を負傷させた容疑などで拘束起訴された。

チョ被告はこのような犯行を実行するためソウル・クムチョン（衿川）区のスーパーで包丁2点を盗み（窃盗）、タクシーに2回乗り合計約4万ウォン（約4200円）も支払わずに逃走するなどの無賃乗車をした容疑（詐欺）も持たれている。2022年12月に匿名インターネットコミュニティーの掲示板に特定のゲームユーチューバーを指して「ゲイのようだ」という趣旨の書き込みをした容疑（侮辱）でも起訴された。

1審は侮辱の容疑を除くそのほかの容疑を有罪と認め、無期懲役を宣告し、30年間の位置追跡電子装置の装着を命令した。裁判部は、「生涯、社会から隔離された状態で収監し、自身の罪を懺悔（ざんげ）するようにし、被告人を永遠に隔離することで社会の安全と秩序を維持するため、死刑の次に重い刑を宣告することにした」と説明した。

2審の判断も同様だった。控訴審裁判部は、「昼間に多数の市民が通る道で面識のない男性に致命傷を負わせる部位を狙って刃物を振り下ろすなど、犯行が極度に残忍で暴悪」とし、「被告人が被害妄想を抱いていた点を考慮しても、その非難の可能性は極めて高い」と指摘した。

チョ被告側は量刑不当などを理由に上告したものの、最高裁は原審の判断が正当と判断しそのまま確定した。

上告審裁判部は、「原審が被告人に対し無期懲役を宣告したことがひどく不当だとは考えられない。原審の訴訟手続きに必要な審理を尽くしていなかったり、被告人の防御権と公正な裁判を受ける権利を侵害するなどの過ちはない」と判示した。