キム氏は中国と北朝鮮を行き来しながら救援事業と宣教活動を行い、2013年10月8日、平壌で逮捕された。翌年5月に国家転覆陰謀罪や反国家宣伝扇動罪などで無期労働教化刑(無期懲役に相当)を言い渡された。その後は消息が途絶え、家族はキム氏の生死も分からないままだ。
北朝鮮当局は正当な司法手続きを執行したと主張したが、キム氏ら韓国人6人の生死や所在など最小限の情報も提供せず、領事面会も認めないなど基本的人権を保障していない。
キム氏の兄、ジョンサム氏は聯合ニュースの取材に対し、「4000日という長い期間苦痛を受けている弟の送還のために関心を持ってほしい」と訴えた。
対北融和政策を進めた文在寅(ムン・ジェイン)前政権と異なり、尹錫悦(ユン・ソクヨル)政権は北朝鮮の人権改善を国政課題とし、拘束者問題を国際社会で取り上げ北朝鮮に圧力をかける方向に方針を変えた。首脳外交や国連会合などで拘束者や拉致被害者、国軍捕虜問題に言及している。
韓国は11月に行われる北朝鮮に対する国連人権理事会の普遍的定期審査(UPR)を控え、拘束者問題を集中的に取り上げている。今月17日にジュネーブで開かれた国連人権理事会の恣意(しい)的拘禁作業部会の会合で、在ジュネーブ韓国代表部の尹聖徳(ユン・ソンドク)大使はキム氏が拘束されてから20日で4000日になるとして、北朝鮮に拘束されている韓国人6人の解放を求めた。
キム氏のほか、韓国人宣教師の金国紀(キム・グクギ)、崔春吉(チェ・チュンギル)両氏が14年に、韓国籍を取得した脱北者3人が16年に北朝鮮に拘束された。いずれも所在や生死は確認されていない。米国人やカナダ人ら別の拘束者は解放されている。
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